いまの仕事が自分の天職だと思えればそれ以上の幸せはないが、多くの人がそう感じられていないことも事実である。だが、たとえ天職ではなくとも、そこに「意義」を見出すことはできる。どんな仕事にも、何かしらの意義が存在する。本記事では、目の前の仕事に意義を感じるための具体的な方法論が提示される。


 自分の仕事にやりがいを感じる人が少ないのは、なぜだろうか。

 筆者は数年前、こうした問題を研究しているイェール大学スクール・オブ・マネジメント教授、エイミー・レズネスキーにそう尋ねてみた。その答えは、とても納得がいくものだった。学生は、「自分の天職はどこか見えないところに隠れていて、多くの場所を探せばきっと見つかると考えている」のだという。

 調査によると、ミレニアル世代が仕事から得たいと考えている最大の要素は「意義」である。一方で、レズネスキーの研究によれば、いまの自分の仕事が天職だと考えている人は50%に満たない。したがって、レズネスキーが教える学生のなかには、不安と焦燥にかられ、せっかくのすばらしい就職先やキャリアにまったく満足できないケースが少なくないという。

 そうした学生(そしておそらく、私たちの多く)は、わかっていない。たとえ自分の仕事を天職と思えなくても、働くことへの意義は見出せるのだ。

 米国で最もよくある4つの職種は、小売店の販売員、レジ係、調理人/給仕、そして事務員である。こうした仕事が「意義」という言葉とともに語られることはあまりない。しかし、これら4つの仕事には、聖職者や教師、医師などとの共通点がある。彼らは人を助けるのだ。そして、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのアダム・グラント教授の研究によれば、自分の仕事を「人の役に立つ」と考えている人々は、意義をより強く感じる傾向がある。

 ということは、ほぼすべての組織のほぼすべての役職で、仕事に意義を見出すことが可能なはずだ。大半の企業が製品やサービスをつくり出しているのは、世の中のニーズを満たすためであり、従業員はすべて、それぞれの方法でそれに貢献しているのだから。重要なのは、自分が提供しているサービスに、全体として個人として、もっと強い関心を持つことである。

 それでは具体的に、どうすればよいのだろうか。