9月5日、地政学リスクを嫌気し、対ドルで円高圧力が強まる一方、対ユーロでは円安傾向が続いている。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2015年5月撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)

[東京 5日 ロイター] - 地政学リスクを嫌気し、対ドルで円高圧力が強まる一方、対ユーロでは円安傾向が続いている。日本企業が期初に設定した想定為替レートに対し、ドル/円はやや円安からほぼ変わらずの水準で取引が続いているが、ユーロ/円はかい離が拡大。ユーロは景気や金利面から中長期的な先高観が強く、欧州売上高比率の高い日本企業に業績上振れ期待が高まっている。

ドルよりもユーロ

 印刷機械大手の小森コーポレーション<6349.T>。同社はオフセット印刷機で、ドイツのハイデルベルグ、KBAとともに世界3強を形成。3社合計で8割程度の世界シェアを持つ。欧州での売り上げは全体の約2割を占め、対ユーロでの円安は1台あたりの利幅が広がるだけでなく、ライバルのお膝元での値引き交渉にも余裕が出る。

 同社は今のところ、2018年3月期業績の前提となる想定為替レートについて、期初に設定した1ドル=105円、1ユーロ=115円に据え置いている。為替が1円動いた際の営業利益に与える影響(感応度)は、対ドルが1億円程度、対ユーロは8000万円程度と対ドルの方が若干高い。

 しかし、現行レートはドルが109円半ば、ユーロが130円前半。想定レートとのかい離は対ドルで4円強、対ユーロが15円強となっている。仮に現行レートが3月末まで続いたとすると、業績の上積み幅は対ユーロの方が上回る。

 同社の財務担当者は「期初はフランス大統領選など政治リスクを警戒して保守的にしたが、ユーロ高は業績面でも価格面でも追い風になる。できればこの状態が続いてもらいたい」と話す。