[東京 5日 ロイター] - 東芝<6502.T>の半導体フラッシュメモリー事業の買収を巡り、米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>が産業革新機構などで形成する日米連合からの離脱を提案していることがわかった。同時に共同生産する三重県四日市市のメモリー工場で、東芝が単独投資を決めた第6製造棟への共同運営など同工場での関与を強めることを求めている。

複数の関係筋が5日、ロイターに明らかにした。

WDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者は前週来日し、東芝の綱川智社長らと東芝のメモリー子会社「東芝メモリ(TMC)」の買収案を巡って協議した。

しかし、WDの将来における議決権比率などで条件が折り合わず、合意には至らなかった。

東芝と同様、フラッシュメモリーの生産を手掛けるWDが買収スキームに関与した場合、各国での独占禁止法に関する審査が長期化し、来年3月末にTMC売却が完了しないリスクを東芝が懸念しているためだ。

来年3月末までに売却が完了しない場合、東芝は債務超過(2017年6月末で5043億円)が解消できない恐れが濃厚で、東証の規定によって上場廃止が避けられなくなる。

このためWDは、革新機構、日本政策投資銀行、米系ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KRR)<KKR.N>の日米連合で形成する買収スキームから離脱する一方で、四日市工場における協業体制で、WD側の関与を強めることを求めている。

具体的には、東芝が8月上旬に単独投資を決めた四日市工場第6製造棟(建設中)への共同投資や研究開発費負担の軽減などを要求している。

関係筋によると、WDがいずれかの時点で、TMCの経営に関与することは、将来の協議に委ねるという。

東芝は6日にも社内外の取締役が集まった経営会議を開き、WD側の提案を検討する見通し。

東芝がWDの提案を了承し、社内での合意に至れば、東芝の経営再建の最大の難所となっているメモリー事業の売却が大きく前進する。

WDが買収スキームから離脱した場合、残る出資企業連合には半導体企業はないため、独禁法審査のハードルも大きく下がるとみられる。

WDの提案について、東芝は「ディールの詳細についてはコメントできない」(広報担当者)としている。

WDは「すぐにコメントはできない」(広報)としている。

*内容を追加しました。

(浜田健太郎、山崎牧子 編集:田巻一彦)