多くの読者にとって、マンション購入は一生に一度の大きな買い物だろう。しかし物件の資産価値は、今一つ見極めが難しい。プロの経験から導き出された「法則」を知り、失敗しないマンション購入に役立ててほしい。

資産価値を吟味して
住み替えに備える

 モデルルームを尋ねると、豪華な家具や、最新の設備がそろう空間にのまれて「ぜひこの物件がほしい」となりがちだ。そうなる前に、冷静に資産価値をチェックするポイントを確認しておきたい。

 マンション購入者向けウェブサイト「住まいサーフィン」を主宰するスタイルアクトの代表取締役、沖有人氏は、次のように語る。

 「出産や親の介護、転勤、離婚など、人生には様々なアクシデントやライフイベントが生じるものであり、時には住み替えの必要に迫られることもあります。資産性の高い物件なら、住み替えが容易ですが、そうでなければ納得のいく価格で売却できないこともあります。購入前に、資産価値を慎重に検討しておいた方がよいでしょう」(沖氏)

 沖氏は1993年以降に分譲された首都圏のほぼすべてのマンションを調査して、売却して含み益が出るマンションには、一定の法則性があることを見つけた。

儲かるマンションの「7つの法則」

(1)買ってはいけない時期がある (2)単価の高いエリアは底堅い (3)駅アクセスはいいに限る (4)大規模マンションは得をする (5)タワーはランドマーク性に価値がある (6)面積は小さいほど損をする (7)適正価格以下で購入する

 (1)は、物件は、いつ購入するかが重要だということを示す。新築と中古との価格差が小さい時が買い時だ。

 (2)と(3)は、値下がりしにくい物件はどこにあるかを示す。単価の高いエリアで、駅からの距離は近い方がよい。

 (4)~(6)は、値下がりしにくい物件の条件を示す。

 まず、大規模物件であることが重要だ。不動産業界では、200戸以上を大規模と定義する。総戸数が多くなると、一定期間に販売する難易度が上がるため、新築価格は安くなる傾向がある。そのため大規模物件は、中古になると値上がりしやすい。

 また、タワーマンションの利回りが良く、階数が高いほど価値を保ちやすいことは、多くの業界関係者が指摘するところだ。沖氏は、競争優位性を保つためには、そのエリアで最も高層のタワーマンションがよいと指摘する。面積も広い方がよい。

 (7)で示されるように、物件をいくらで購入するかも大切だ。「住まいサーフィン」では、過去の事例情報から割り出した、それぞれの物件の新築時価を公表しているので、気になる物件を検索してみるとよいだろう。実売価格が時価(適正価格)より安ければ、割安と判断できる。

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この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2017年10月7日号新築 マンション 戸建て『資産価値を維持できるマンションの条件』の詳しい内容は こちらからご覧いただけます。

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