[ソウル 5日 ロイター] - 北朝鮮の核・ミサイル開発では、以前から海外でブラックリストに載っている国内の科学者2人が重要な役割を担っていると専門家はみている。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、この2人を含めた技術系出身の官僚と密接な関係を築いており、このことが開発のスピードアップにつながったとみられる。

3日の核実験の直前に朝鮮中央通信が配信した写真には、水爆とみられるピーナッツ型の物体を視察する金氏の傍らに2人の科学者が写っていた。元寧辺原子力研究所所長のリ・ホンソプ氏と党中央委副部長のホン・スンム氏だ。

ロイターが北朝鮮の国営メディアの報道を調べたところ、金氏の主導で北朝鮮の核開発のペースが上がるにつれて、リ氏とホン氏のメディアへの露出が増えていることが分かった。

両氏は昨年1月に行われた4回目の核実験後に金氏からメダルを授与された。その2カ月後には、大陸間弾道ミサイル(ICBM)への搭載が可能とされる弾頭の模型を視察する金氏にそろって随行した。

北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「ホン氏は党幹部として核開発を主導し、リ氏は実務レベルで水爆などの核実験を担当しているようだ」と話す。

北朝鮮問題の専門家によると、ICBM開発では国内の兵器専門家が最前線に立ち、リ氏やホン氏もこうしたグループに属している。

金氏の父親の金正日(キム・ジョンイル)氏や祖父の金日成(キム・イルソン)が兵器開発を小規模な専門家グループや中間管理職に任せることを好んだのに対して、金正恩氏は科学者と個人的なつながりを深めており、兵器の試験や現場の視察に技術系出資の官僚が随行する場面が多いという。

部下と直接現場に赴く金氏のスタイルによって核やミサイルの開発のペースが上がり、科学者は金氏と個人的な関係を強めていると専門家はみている。

北朝鮮問題専門家のマイケル・マッデン氏は「金氏は自ら現場に出て、科学者との個人的な関係をアピールしている。このために科学者は兵器開発で大きな達成感を得ている」と述べた。

リ氏が所長を務めていた寧辺原子力研究所は北朝鮮の核施設の中心的存在で、ウラン濃縮を行っていることが確認されている唯一の施設。

ホン氏は寧辺原子力研究所の元技師長で、2000年代半ばから共産党の兵站部門を統括している。韓国政府のデータベースによると、ホン氏は11年12月に金氏が政権の座に就いてから露出が増えたという。

マッデン氏によると、ホン氏は中東欧あるいはロシアで教育を受けており、リ氏は海外のセミナーに出席した経験を持つ。「2人は政府のトップレベルに位置し、古き良き共産党世界で学んだ最後の世代だ」という。

(Ju-min Park記者、Soyoung Kim記者)