経営×ソーシャル

ライオンが仕掛けるマーケティング戦略の裏側

洗剤・洗濯の話題だけで4万人超が盛り上がる“場”をつくる

毎日何気なくしている洗濯だが、他の家庭ではどんな洗濯の仕方をしているかを知る機会は、意外に少ない。家庭用洗剤を数多く発売しているライオンでは洗剤や洗濯について情報交換ができる「ライオン トップ ファンコミュニティ」を2016年1月にオープンし、1年半で参加者は4万人を超えた。一見地味にみえる洗濯や洗剤でなぜそんなに会話が盛り上がるのか? コミュニティを運営するライオンのキーパーソン3人と運営支援を行うQON(クオン)の担当者2人に話を聞いた。

「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」と「トップ HYGIA(ハイジア)」のファンの醸成とロイヤルティ向上を目指してファンコミュニティが立ち上げられた洗濯用洗剤トップシリーズの液体超コンパクト洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」と「トップ HYGIA(ハイジア)」のファン作りとロイヤルティ向上を目指してファンコミュニティが立ち上げられた

洗剤、洗濯でコミュニティが継続できるか不安だった

――洗濯をテーマに、コミュニティのメンバーたちが情報交換や悩み相談をし合うコミュニティ「ライオン トップ ファンコミュニティ」がスタートして1年半が経過しました。メンバー数も順調に増えているそうですが、まずコミュニティを立ち上げた経緯を教えてください。

ライオン ヘルス&ホームケア事業本部 ファブリックケア事業部 石橋朋彦さんライオン ヘルス&ホームケア事業本部 ファブリックケア事業部 石橋朋彦さん

石橋 コミュニティを立ち上げた背景には、洗濯用洗剤トップシリーズの液体超コンパクト洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」と「トップ HYGIA(ハイジア)」のファンの醸成とロイヤルティ向上という課題がありました。

弊社では2010年1月に「トップ NANOX」、2012年7月に「トップ HYGIA」を発売しました。それから5、6年が経過し、さらなるカテゴリー拡大のためには何をすればいいのかということを、ファブリックケア事業部、宣伝部や関係する各部署と議論し、「ライオン トップ ファンコミュニティ」を構築する方向で動き出しました。

このコミュニティは1年、2年で終わるのではなく、5年、10年と継続して取り組んでいくことを決めていたので、コミュニティ構築のパイオニア的な存在であり、知見を多く持つクオンさんに話をさせていただきました。

濱田 具体的に動き出したのは2015年の下期あたりから。コミュニティのスタートは2016年1月ですから、かなりタイトなスケジュールでの構築準備だったと思います。

ライオン 宣伝部デジタルコミュニケーション推進室 濱田浩二さんライオン コミュニケーションデザイン部 CXプランニング室 濱田浩二さん

もともと私たちには、洗剤は低関与の商材(ブランド選択にこだわりが薄い商品)だからこそファン化が必要だよね、という課題意識がありました。ファンから無関心層に向けて、「NANOXって汚れが落ちるよ」「HYGIAは部屋干し臭がしないよ」と口コミで広がれば、それが無関心層の態度変容のきっかけになるはずです。

石橋 スタート前は、クオンさんの担当者とは月に4、5回のミーティングを行いました。当初は洗剤、洗濯というテーマでコミュニティを継続できるのかという不安がありましたが、クオンさんは「大丈夫です」と……。

佐田 実は、ライオンさんからこのお題をいただいたとき、当初は「洗剤? お洗濯? そのテーマでどうやってコミュニティを継続させればいいのだろう」と思いました。

石橋 そうだったんですか?(笑)

佐田 はい(笑)。でも社内でディスカッションを重ねるうちに、お洗濯の「気になること」が、人によって、家族構成や子どもの年齢によって、違うことがわかってきて「これなら行ける」という確信を持ちました。

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事例でみる 企業×ソーシャル

ソーシャルメディアを上手く活用して、お客さまの声を聞きたい、自社のファンを増やしたい。そうしたニーズを持つ企業は少なくない。これまでに、クオンのソリューションを通して、自社や自社ブランドのファンづくりに成功してきた企業の事例を通して、これからの時代のコミュニティの姿を探る。

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