厚生労働大臣 小宮山洋子<br />「タバコ発言」は言葉足らず<br />10年代半ば以降に消費増税をPhoto by Kazutoshi Sumitomo

──野田政権発足からわずか9日で閣僚が辞任し、政権運営に混乱が生じている。

 崖っ縁の船出だ。各議員が作法をわきまえることは大前提として、政府と与党とのあり方を構築し直すべきだ。民主党政権は、自民党時代の政策・仕組みを全否定することから始まったが、その方針に歪みが出ているからだ。一例が政策決定の仕組みだ。民主党は野党時代から政策ありきで政権交代を訴えてきたというのに、与党になってからのほうが政策決定にかかわりにくい事態になっている。

 (鳩山政権時に廃止していた)政策調査会を、菅政権で復活させたとはいえ、それは提言機関にすぎなかった。野田政権では政調の権限をより強化し、政策決定への民主党の関与度を高め、政府と民主党との方針の一元化を図る。

──就任直後の「タバコ増税発言」は、安住淳財務相との閣内不一致発言として物議を醸した。

 大臣の言葉は重いもので、言葉足らずだったと自省している。昨秋、税制調査会担当の厚生労働副大臣の立場で、健康被害・未成年喫煙を減らす目的で1箱700円まで増税しても財源は目減りしないとプレゼンテーションした。就任会見の質疑応答の場面で、そのときの話を若干したところ、大きく報道されてしまった。「タバコ増税の決定権は、厚労省ではなく、今秋開催の税調にある」ことを付け加えるべきだった。この問題は、今後、国民のあいだで十分な議論ができればよいと思っている。