民進党の「消費増税分を社会保障に」は本来なら与党が言うことだ写真はイメージです

 民進党の新たな代表になった前原誠司氏は、代表選で「消費税率を10%に引上げて、増税分はすべて社会保障の充実に回す」と、消費増税の組み換え論に言及した。今後、行われる総選挙で民進党は、10%への消費税増税を容認することになったわけで、そのことは大きな意義を持つ。

 だが本来なら、すでに税率引き上げの法律を成立させながら、増税を先送りしてきた政府・与党が考えるべき話ではないのか。

2%増税分の全額を社会保障に
組み換え論の「真意」

 現行の「税・社会保障一体改革」のスキームは、下の図表のとおりで、消費税率を5%引き上げ、増収分を、「全額を社会保障の財源に」あてるとしているものの、従来、国債に依存していた社会保障経費を増税分で賄い国債発行を減らすなど、事実上は、4%分を「財政再建」に、1%分を「社会保障の充実」に使うことになっている。