[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米株式市場では、株価の見通しが不透明になり、国債利回りが約10カ月ぶり低水準となる中で、通信株や公益株など配当利回りの高い銘柄が一段と注目されている。

高配当株は、10年国債とのスプレッド拡大に加えて安全性がより高いとの評価もあり、投資家が成長株からシフトする可能性がある。

北朝鮮が3日に過去最大規模となる核実験を行ったことで投資家が動揺し、休日明け5日の市場では10年国債利回り<US10YT=RR>が10カ月ぶりの低水準となった。

リバティービュー・キャピタル・マネジメントのリック・メクラー社長は「利回りが低水準にとどまるなら、投資家は以前のような高配当株への回帰を始めるだろう」との見方を示した。

ファンドマネジャーの間ではすでに、こういった銘柄を選好する動きが見られるようだ。週間の資金流入が最も多かったのが業種の1つが公益だった。

S&P総合500種中で最も配当利回りの高い銘柄には、通信や公益株が入っている。通信のセンチュリーリンク<CTL.N>の配当利回りは11.4%と、指数採用銘柄で最高。電力のファーストエナジー<FE.N>とサザン<SO.N>はいずれも4.5%を超える。

メクラー氏は、両セクターが利回りで10年債と引けを取らないという確信が投資家の間で高まっていると指摘した。

ゴールドマン・サックスのブランクファイン最高経営責任者(CEO)は6日、ドイツでの会議に出席した際、債券利回りと株式の格差について注意を喚起し、「社債利回りが配当利回りを下回っている時、私はろうばいする」と述べた。

低水準に長くとどまっている利回りは、株式投資家の懸念要因になり得る。高リターンを求めてより高いリスクを取らざるを得なくなるからだ。

利回りは8日も低下。ニューヨーク連銀のダドリー総裁が7日、米連邦準備理事会(FRB)の利上げについて従来のタカ派色を弱めた発言をした後、2.016%に低下した。

配当利回りは通信株<.SPLRCL>が5.2%、公益株<.SPLRCU>が3.4%となっており、いずれもS&P500種の2.4%を上回る。

ただ、これらのセクターの株価は今年、明暗が分かれている。公益株が12%超上昇しているのに対し、通信株は14%超下落と、主要セクター中で最もきつい下げを記録した。

通信株は株価収益率(PER)が12.9倍と、S&P500種の17.6倍を大幅に下回っている。ただ公益株は、S&P500種をわずかに上回る18.4倍と割高感があるため、投資家にとっては配当プレミアムを考慮しても妙味は下がると受け止められるかもしれない。

モフェットネイサンソンのアナリストであるクレイグ・モフェット氏は最近のリポートで、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>とAT&T<T.N>のバリュエーションは「魅惑的なまでに低い」とし、配当利回りは「10年国債に比べて特に妙味がある」との見方を示した。

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