アナログ的な家族の絆と、 進化するITツールをうまく活用した見守りを

アナログ的な家族の絆と、
進化するITツールをうまく活用した見守りを

著者・コラム紹介
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子どもを狙った犯罪は後を絶たない。連れ去りだけではなく、SNSなどを通じて地理的条件に制約されない交遊関係から生み出される犯罪も少なくない。少子化や核家族化が進展する中で、保護者はいかにしてわが子を見守れば良いのか? 子どもの犯罪被害に詳しい、危機管理アドバイザーの国崎信江氏に聞いた。

危機管理アドバイザー
国崎信江氏

くにざき・のぶえ 危機管理教育研究所代表。1997年、阪神・淡路大震災のような自然災害から小さな子どもを守るための研究を始める。文部科学省「中央教育審議会スポーツ・青少年分科会学校安全部会」の他各種審議会などの委員を歴任。著書は『地震からわが子を守る防災の本』(リベルタ出版)、『地震から子どもを守る50の方法』(ブロンズ新社)など多数。

 「警察白書」によれば、子ども(13歳未満)が被害者となる犯罪は、2002(平成14)年以降は減少傾向にあるが、子どもの連れ去り(略取誘拐)の被害件数は、14(平成26)年は9年ぶりに100件を超える(109件)など、横ばいを続けている。

 連れ去り被害は14〜18時の下校時間帯が多く、被害児童の約7割が女子で、現場は路上や共同住宅の敷地内が多い。この被害件数は警察が認知した数であり、実際の被害はこれ以上になると考えられている。

 警察では子どもを犯罪から守るための取り組みとして、学校やボランティア団体と連携を取りながら、通学路や通学・下校時間帯に重点を置いたパトロールを強化するなど、被害防止に務めているが、一瞬の隙を突いた犯罪は後を絶たない。

 危機管理アドバイザーの国崎信江氏は、「子どもが被害者となる犯罪は、連れ去り被害だけではありません。近年はスマートフォンやインターネットの利用が拡大する中で、いじめによる被害が複雑化し、児童買春・児童ポルノ禁止法違反など、青少年の福祉を害する犯罪の被害も深刻になっています。さらに危険ドラッグの犯罪も低年齢化が進み、子どもたちと無縁ではなくなっています。さらに、わが子が被害者になる心配に加えて、加害者になる心配をする必要もあるのです」と警鐘を鳴らす。

見守りのための
防犯ツールは積極的に使う

 では実際に、犯罪被害者にならないためには、どのような手段が有効になるのか。連れ去りなどの被害を防止するためには、まずは既存の見守りサービスを積極的に利用することが望ましいという。都市部では監視カメラの設置も増え、性能も画質も良くなっているが、それに全面的に頼ることはできない。

 「防犯ブザーやGPSによる位置確認をはじめ、生活圏の中で使える防犯ツールがあればそれを試してみるのが良いでしょう。大切なのは、子どもの年齢や性別に合ったものを選び、継続して使用することです。欧米では過去に犯罪が起きた時間や場所のデータを基に、科学的知見に基づいたピンポイントの見守りを行っています。日本ではまだ危機意識が低く、見守りは大人の都合で行われ、“自分の命は誰かが守ってくれる”という根拠のない安心感の中で生活しています。まずは、その意識を個人レベルで見直していくことが必要になります」

 例えばSNSによるいじめを防ぐならば、保護者は子どものメールをチェックするという条件付きでスマホを“貸与”すべきだという。「それを了承するならばスマホを与える。その上で、“うちの親はメールを見ているからね”と友達に宣言、また人間関係が悪くならないよう、ある時刻以降は“メールは見ない”と言わせておく。そんなシンプルなルール作りで、被害にあう可能性を少なくすることができるのです」

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