ニューヨーク市における被災影響試算例

 ニューヨーク市の例では、送電網が停止した際、いくつかの火力発電所がフル稼働で対応できると仮定した場合、広範囲な地域の送電網系統が物理的に破壊されたとしても現実的に見て都市の40~50%の電力が足りなくなる程度だと予想されているが、首都圏エリアの被災経済損失額は3日程度で約2兆円規模と予測されている。

直接的損失要員項目と経済損失予測額としては下記の通り:
収益の機会損失:6600億円
冷蔵材の腐敗:1650億円
EMP攻撃テロ被害復旧費:350億円
電力事業者の復旧費:2000億円
政府の特別対策費:400億円

 アメリカ政府が出している、EMP攻撃テロ時に地方自治体が行える事前対応の検討事項項目例は下記の通りだ。災害リスク対応の優先順位として「生命」「身体」「財産」の順で守る事が記されている。

電磁波パルス(EMP)の脅威に対する準備検討事項
(1)非常事態宣言発令文言の内容確認
(2)非常事態宣言発令手法や装置の動作確認
(3)EMP攻撃テロの事実確認方法(固定電話等、使える可能性のあるもののリストアップ)
(4)EMP攻撃時における住民生活安全確保の指針発表内容
(5)情報収集困難、徒歩による帰宅、飲水、備水、災害食確保、トイレ、入浴が困難になることなど住民への災害予測と災害対応教育の具体的実施
(6)市内の被災状況報告などネット不通時にマニュアルで随時情報収集する仕組み確立
(7)治安維持の警告(条件に応じてラジオや無線による非常公共放送等を用いる)
(8)停電による2次災害の影響等状況予測と被災影響試算の算出
(9)一般家庭への節電要請と第3次医療機関、消防・警察・自衛隊・海上保安庁など災害対応機関における電力確保
(10)都市機能復旧見通し報告段階発表準備
(11)国、県、市代表の紙媒体などによる声明発表
(12)地域、季節、時間帯を予測した住民行動アドバイス
(13)原子力施設等における周囲住民への影響発表
(14)都市機能復旧と地下鉄等公共交通機関再開情報
(15)被災調査報告と復興計画発表

参考文献:THE EMP THREAT: THE STATE OF PREPAREDNESS AGAINST THE THREAT OF AN ELECTRO- MAGNETIC PULSE (EMP) EVENT