9月8日、単一通貨ユーロからの離脱を唱えていたイタリアの主要野党が、従来よりやや穏健な二重通貨制度案へと軸足を移しつつある。写真はローマで2月撮影(2017年 ロイター/Tony Gentile)

[ローマ 8日 ロイター] - 単一通貨ユーロからの離脱を唱えていたイタリアの主要野党が、従来よりやや穏健な二重通貨制度案へと軸足を移しつつある。ただ、仮に成功すれば国民の間でユーロ不要論が広がり、最終的にはユーロ離脱の可能性がかえって高まる可能性がある。

 二重通貨制度は過去に世界各地で試され、結果はまちまちだった上、イタリアで導入するには大きな政治的変革が必要になる。しかしボッコーニ大学(ミラノ)のロベルト・ペロッティ経済学教授は「技術的にも政治的にも完全に実施可能だ」と言う。

 4大政党のうち、反体制派の「五つ星運動」、右派の北部同盟、ベルルスコーニ元首相率いるフォルツァ・イタリアの3党が、来年初めの選挙後にユーロと並行する新通貨を導入することを提案している。

 多数の国民に広がる反ユーロの世論を取り込みつつ、当面は大混乱を招きかねないユーロ離脱を避ける方策に落ち着いた形。現制度の変更を掲げていないのは与党の民主党だけだ。

 世論調査によると、現在のところ民主党と五つ星運動が支持率トップを競い合っており、3位は北部同盟、4位はフォルツァ・イタリア。ハングパーラメント(中ぶらりん議会)が誕生しそうな情勢だ。

 北部同盟と五つ星運動は、二重通貨を導入すれば欧州連合(EU)にとって脅威となり、財政規律の緩和を認めさせるという重要な目標を達成しやすくなると説明している。