路上の障害物もなんのその
LMWベビーカーの凄さ

 フォロワー数が4万人を超えるイクメンのインスタグラマー「クレイジーパパ」が上半身裸で押すのは、ヤマハが内製した「LMWベビーカー」。前二輪が傾くLMW機構を固定金具によってオン/オフできるようになっていて、路上のさまざまな障害物にその両方の状況で挑む。

 スケートボードの曲面状のコースに、厚さ5センチほどと思われるコンクリート平板を左右に平行に並べた路面、さらには縁石に片輪を乗り上げた場面で、袋入りの果物をぶら下げたベビーカーを、クレイジーパパが凄い勢いで押していく。おまけに終盤には、張りぼての壁を突き破るサービスシーンまでがついてくる。

「ベビーカーでそんな風に走るわけないでしょ。バカバカしい」と思われただろうか?だが、そのバカバカしさこそがヤマハの狙いなのだ。

 LMWオン/オフの安定度の違いは、動画から一目瞭然。スケボーコースの曲面に乗り上げて方向転換をする場面ではベビーカーを倒して果物をぶちまけてしまい、コンクリート平板の並んだ路面では左右に揺さぶられてとてもまともに走れたものではない。ところがLMWオンでは、どちらも危なげなくクリアしていく。

 ふつうに乳児を乗せて歩道に乗り上げるというような場面では、実際に使えばLMWのよさに気づいてもらえるにしても、映像としては見た目が地味で、心揺さぶるインパクトがない。そこで、あえてベビーカーの暴走ともいうべき突飛で豪快な映像に仕立て、人目を引いているのだ。

 と、ここまではいいとして、では、どんなところからこの企画は立ち上がったのか?

「やはり、バイクのノンユーザーの方々にリーチしたいという思いが強くありました。我々が日常生活で接する車輪つきの道具をあれこれ考えるなかで、じゃあベビーカーでいこうという話になり、3ヵ月弱をかけて手作りしました。LMW機構をベビーカーに当てはめることに、いろいろと試行錯誤はありましたが、一般のベビーカーからかけ離れたものにはしていません。たとえばこのタイヤは、ずいぶん大きく感じられるかもしれませんが、市販のベビーカーにもあるサイズなのですよ」(ヤマハ発動機株式会社 コーポレートミュニケーション部 コンテンツグループ 主査 辻井栄一郎氏)