圧倒的な成果には秘密があった――。「即日契約数が月7名から月50名に」「1億円以上の成果があがった」「契約者数が前年の2倍に」「高額商品が次々に売れた」……多種多様な業界の契約率を改善し続けるセールスコンサルタント林佳範氏の処女作『なぜか即日即断してしまう 105人連続契約の秘密』が発売となった。多くの企業で成果をあげ続ける彼は、いったいどのようなノウハウを教えているのか。林氏に、10年以上、3万人以上の経営者・スタッフに教えてきた契約率アップのノウハウについて教えてもらった。

「クロージングが苦手」がなくなるテクニック

 セールスで契約率を上げるには、さまざまな取り組みが必要です。しかし、「いろいろと変えるのは面倒だな……」と思う人も多いでしょう。そんな方に、オススメしたい即効性の高い方法が「3ルートクロージング」です。決め台詞を「3つ」用意しておくというシンプルなクロージングテクニックになります。これは、かなり効果が大きく、私の担当するほとんどの企業でも実践している手法です。

 方法はいたってシンプルです。次のように、3つのクロージングの決め台詞を用意しておくだけです。

(1)即日契約につながる決め台詞を言う
(2)次の行動(仮予約、体験など)につながる台詞を言う
(3)次回につながる強制YESの台詞を言う


 まず用意するのは、即日契約を「イエス」「ノー」で確認する決め台詞です。「今日契約してくれるのかどうか」をしっかりと確認します。

 そしてそれが「ノー」であれば、体験、仮受付、仮予約、特典予約などの「次回の行動」につながる打診を「イエス」「ノー」で答えられる決め台詞で確認します。たとえば、習い事教室の見学者なら「ご見学者の方は一度無料でご体験ができますが、本日、ご予約していきませんか?」といった具合です。体験に来られている場合は、体験をすすめるわけにはいきませんので、「次回の仮予約」をすすめます。「それではご検討いただければと思いますが、次回の仮予約だけでもされませんか?」といった感じです。

 さらに、それもノーであれば、最後は絶対にイエスと言ってもらえる台詞を用意します。このとき、ほとんどの業種で使える台詞が「では、本日ご説明した内容を、わかりやすくまとめておきますね」という一言です。こう言えば、ほぼ確実に「はい」「お願いします」というイエスの言葉を引き出せます。ここでイエスを引き出したら、その後は、持ち帰り用シートを渡します。手書きで、料金や特典、連絡先など、大切な情報をまとめてお渡ししましょう。これらを手書きで、丁寧にお伝えすることで、お客さんの「戻り率(再度来店してくれる率)」は、各段に上がります。

 クロージングが苦手だと言う人の多くは、「断られる」ことを怖がっています。しかし、「3ルートクロージング」であれば、最後は99%「イエス」と言っていただけます。クロージングに対する心理的なハードルが下がり、それが契約率アップにつながるのです。また、イエス・ノーで確認する台詞を事前に決めているので、お客さんのあいまいな返答がなくなることも、契約率が向上する理由だと言えるでしょう。

 このように3ルートクロージングを実践すれば、あなたの契約率も劇的に上がります。ある会社では体験に来たお客さんに、

(1)即日契約をすすめる
(2)イベントの体験をすすめる
(3)イベントの日程が合わなければ、次回来店につながる資料を渡す


 という3ルートクロージングを実践した結果、1か月の契約数32名が81名と2・5倍に激増しました。セールスでは、こうした「ちょっとした工夫」を知っているかどうかで結果が大きく変わってきます。拙著『なぜか即日即断してしまう 105人連続契約の秘密』では、こうしたセールスにおける「ちょっとした工夫」を多数掲載しました。ぜひ本書で、圧倒的な成果を残すための“ワンランク上のテクニック”を身につけてください。翌日から、あなたの成果は段違いに変わってくるはずです。