エビデンスのある最強の食事とは?
――俗説・自己流健康法にダマされない

 毎朝、ジューサーで搾ったフレッシュなオレンジジュースを飲んでから出かけるという40代の男性は、「自分は健康にいいことをやっている」と胸を張っています。では、そのエビデンスは何でしょう。「搾りたてだから健康にいいはず」では、到底、信頼できるエビデンスとは言えません。

 そのジュースの中に、どれだけの糖が含まれているかわかっているでしょうか。それによって高血糖状態をあえてつくりだし、糖尿病をはじめとしたさまざまな病気に自ら近づいていることをわかっているでしょうか。

・仕事の前にはエナジードリンクで気合いを入れている
・栄養を考えて毎朝シリアルを食べている
・野菜不足を「1日分の野菜ジュース」で補っている
・カロリーをとり過ぎないように脂質を常に控えている
・筋肉をつけるためにプロテインを摂取している
・時間があればジョギングしている
・好きなお酒を控えている

 自称「健康に気を遣っているビジネスパーソン」から聞くこうした工夫は、まさに「病気になるための努力」と言っても差し支えありません。正直なところ、大半のビジネスパーソンは仕事については非常に優秀でも、自分の口に入れるものについて、ひどく無知なのです。

 たとえば、ダイエットのために必死でカロリーや脂肪を制限している人がいますが、いまの医学の常識では、肥満を生み出す原因は糖質であって、カロリーや脂肪は関係がありません。しかし、管理栄養士や医者でさえ、いまだにカロリー神話を信じている人が多くいます。

『医者が教える食事術 最強の教科書』では、あなたがとるべき最強の食事について、最新のエビデンスに基づいて説明していきます。生化学という人間の体のメカニズムにそって、世界中の信頼すべき論文や20万以上に及ぶ私の臨床経験を踏まえてお伝えしていきますので、その内容は、よくありがちな俗説や自己流健康法、一部の論説を拡大解釈したようなものとはまったく異なっています。

 本書を読んでくだされば、一時の流行に左右されず、絶対的な食事術を身につけることができます。それによって、「肥満・老化・病気」のすべてに対処することができます。

 心身を健康に保つことは、パフォーマンスを最大化するための絶対条件です。食事はそのためのスキルに他なりません。年をとるほど代謝は下がりますので、仕事のできる人は「食べるもの」や「食べ方」をおろそかにしません。バリバリ働くためにも、健康な身体をつくることは必須だからです。

 20代や30代の前半までなら、食事に無頓着でも問題なかったかもしれません。しかし、年を重ねるごとに、そのままでは徐々にパフォーマンスは落ちていきます。中年以降は、体に何を入れるのか、食事をどうマネジメントしていくかに意識的でなければいけません。ここが健康格差の分かれ道です。

『医者が教える食事術 最強の教科書』は、まず序章で、多くのビジネスパーソンがわかっていない「血糖値」の大問題を説明します。大切なことは“バランスのいい食事”という曖昧なものではなく、いかに血糖値をコントロールするかです。多くの人が、どれだけ人体のメカニズムから外れた「自己流健康法」をやっているか実感していただけるでしょう。

 第1章では、最新の医療データをもとに、「医学的に正しい食べ方」を20個まとめました。時間のない人は、ここを知っておくだけでも食生活は大きく好転します。

 第2章から第5章までは、「肥満」「老化」「病気」がどのように起こるかというメカニズムを説明しながら、血糖値を上手にコントロールする食事術を解説します。

 最後の第6章では、世界の長寿地域に関する文献をもとに、統計データが実証している「長生きの10大ルール」を見ていきます。

 本書は、興味のある分野・項目から読み進めていただいても構いません。この先もいい仕事をし、充実した人生を送りたいと望んでいるなら、本書を味方に、いますぐ食事を変えてください。

(この原稿は書籍『医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)