書き出しの役割は
「その先」を読みたいと思ってもらうこと

私がよくやるのは、導入部分に最も共感できる素材、印象深い素材、気になる素材を配置することです。

「そうだよね」「ふむふむ」「へぇ」「お!」「えっ?」「なんだそれ?」「すごい!」と思えるような内容を書き出しにぶつける。「その先が読みたい」と思ってもらいやすいからです。

たとえば、私が執筆し、1700以上シェアされた「ライザップは、なぜあれほど痩せられるのか」という記事の書き出しは、「共感」を狙っています。書き出しだけ、ここに掲載します。  

------------
テレビタレント、アイドル、経済評論家……。衝撃的な「ビフォー/アフター」の姿に、毎回のように驚かされている人は少なくないのではないか。ライザップのテレビコマーシャルシリーズだ。

どうしてあんなに痩せられるのか。大変なことをさせられているのではないか。食事は食べられるのか。あんなに急に痩せて体に良くないのではないか……。そんな思いも浮かぶ。私自身も、そう感じていた。

-------------------

書き出しだけは
「作家」に学んでもいい

『超スピード文章術』で私は、ビジネスで用いる文章を書くときに、絶対に小説家や文章のプロのマネをしてはいけないと書いていますが、「書き出し」に関してだけは、参考にしてもよいでしょう。

私は若い頃、沢木耕太郎さんなど、著名なノンフィクション作家の文章を研究していました。どんな出だしで物語を始めるか。あるいは、インタビュー原稿を始めているか。

「私は」といった凡庸な書き出しから絶対に始めない。
「ん?」と思える意外な話から始める。
あるいは、読者に「そうだよね」とまずは共感してもらう素材を持ってくる。
びっくりするような衝撃的な事実から入っていく。

作家は「書き出し」にこだわりを持っている人が多いため、学ぶところが多いはずです。

そしてもうひとつ、大切なのが文章の最後、いわゆる「締め」の文章です。