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大規模情報漏えいを起こした
米国信用調査会社の対応がひどすぎる

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第439回】 2017年9月20日
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漏えい後の消費者対応にがっかり

FTC(連邦通信委員会)が設置した、消費者向けの対策紹介サイト(https://www.consumer.ftc.gov/blog/2017/09/equifax-data-breach-what-do)

 流出だけでもかなり深刻だが、その後のエキファックスの対応も、われわれ消費者をがっかりさせるような要素に溢れている。

 まず、この流出が今年5月から起こっており、同社では7月末に把握していたにもかかわらず、正式に発表されたのは9月に入ってからという遅れだ。加えて、その後の対応や処置も緩慢で、消費者をイライラさせていているのだ。

 例えば、同社は消費者への対応として、新たなクレジットカード発行を凍結させるサービスを無料化しているが、申し込みのための窓口電話やウェブサイトが混み合っている上に、申請が最後までうまく完了しないという苦情が増えている。

 また、同社は、消費者が自分の情報が漏洩したかどうかを確認できるサイトを設けているが、そこにアクセスするには苗字と社会保障番号の一部が必要になる。すでに個人情報を守れなかった同社のサイトに、新たにそんな情報を喜んで入力しようと考える人々は多くないだろう。

 ちなみに、このサイトにデタラメな名前と数字を打ち込んだところ、「あなたの情報は漏洩した可能性があります」などといった表示が出てくることも報告されている。どこまでも信用できないという感じだ。

 これらに加え、同社は自社が提供している信用情報の自動モニターサービスを1年間無料にするという。一見、太っ腹のサービスのように見える。だが、これは1年経過した後に、継続する可能性のある顧客名簿を作るようなものだろう。しかも、これに申し込むことで、同社に対して訴訟を行わないとか集団訴訟の原告に加わらないことに同意するという条件が、小さな文字で書かれている。被害に合った消費者を、さらに欺いているとしか思えないのだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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