経営 × 総務アウトソーシング

「アウトソーシング」と「派遣」の違いは?
それぞれの上手な活用方法と留意点を解説

2017年10月2日
1
nextpage

すべての業務を社内だけで完結している企業は存在しないでしょう。たとえば、経理の仕訳や製品の輸送、Webサイト制作などは様々な外部の力を借りています。また、現在はクラウドソーシングなども多く活用されているため、アウトソーシング選択のハードルは以前に比べて低くなっています。今後はコア事業・業務だけを社内に残して、ノンコアの部分は外注・アウトソースまたはツール(システム)化する動きはますます加速するでしょう。そういった状況の中でアウトソーシングの意味と派遣との上手な使い分けを考えてみます。

アウトソーシングとは?

アウトソーシング(Outsourcing:外部委託)は、「業務上、必須となるビジネスプロセスを外部の専門業者に委託し、サービスとして購入する契約」と定義されることが多いようです。

 契約とは、外部の専門業者との業務委託契約(正確にいえば、請負契約もしくは準委任契約)となります。委託される業務の内容、範囲、執行・提供時間、障害対応、違約の場合の補償など詳細にわたる契約が、会社と外部の専門業者とで取り交わされます。

 具体的に、どのような業務が専門の業者にアウトソーシングされているのでしょうか。ここでは人事労務の主な業務を例に考えてみましょう。

(a) 人材の雇用、雇用契約の管理
(b) 人事評価
(c) 給与計算、各種控除や源泉所得税等の計算
(d) 給与や福利厚生費用の会計計上
(e) 労務管理
(f) 年金の積み立て

 上記の業務のうち、(c)と(f)について、比較的標準的な業務ではあるものの、税法の変更頻度が高い業務でもあります。たとえば、所得控除の内訳、適用されるべき税率などの確認作業は大変ですし、年金の積立の数理債務の計算には専門的知識が必要になります。

 そのため、これらの業務がアウトソーシングの対象となるケースが欧米でも数多く存在します。そのほか採用や労務管理などでも、単純かつ標準的な作業レベルに落とせるものはアウトソーシングするケースが多くなってきています。

アウトソーシングと派遣の違い

 派遣の場合、受け入れる会社が派遣業者と「労働派遣契約」を結び、派遣社員を会社の中に受け入れ、社員の管理下で事務を行います。正社員とほとんど同じ事務を行っていても、企業と派遣社員の間に雇用関係は存在しませんが、社員が派遣社員に対し、事務の内容、仕事の仕方、成果に至る手順やプロセスを説明し指示した上で、その進捗を社員自身が管理することができます。

 一方、アウトソーシングは業務を丸ごとアウトソーサーに委託しているため、社員によるプロセスの管理や業務改善を直接アウトソーシング業者に指示することはできません。また、アウトソーシング業者が代行している業務上のノウハウは基本的に蓄積できず、依頼主はサービスの良し悪しを評価できるにとどまります。

 つまり、派遣は「人材の提供」がサービスで、人が働いた分に費用が発生し、アウトソーシングは「業務、成果物の提供」がサービスで、業務や成果物の完遂・品質によって費用が発生する、と考えるとわかりやすいでしょう。

1
nextpage

DOL plus

「DOL plus」

⇒バックナンバー一覧