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割安感が募る欧州株は本当に“買いどき”なのか?
ファンド筋が唱え始めた「収益チャンス」の真贋

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第195回】 2011年10月4日
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ロンドンのファンド筋も提言
投資家は欧州株を買うべきか?

 最近、欧米の金融市場で、ロンドン在住の著名ファンドマネジャーが出した「欧州株式を買おう」という投資家向け書簡が注目されているという。この書簡が注目される背景には、恐らく2つの大きな要因がある。

 1つは、このファンドマネジャー氏の過去の運用成績が傑出して良いことだ。彼は過去20年以上、市場全体のインデックスをはるかに上回るパフォーマンスを残している。「実績のあるファンドマネジャーが言っているのだから傾聴に値する」という市場参加者の意識が働いている。

 もう1つは、最近、リスク量の削減=リスクオフを続けてきた投資家の、「そろそろ、儲かりそうな投資先を探さなければならない」というニーズに適合したからだ。

 問題は、世界的にリスク要因が目白押しで、これから何が起きるかわらないようなときに、本当に株式投資を行なうことが合理的か否かだ。その点については、異論があるだろう。

 ユーロの先行きに悲観的な見方が多く、一部には「ユーロは今後12ヵ月以内に崩壊する」と見る専門家もいる。それが現実のものになると、世界の金融市場はさらに大きな混乱に巻き込まれる。「ユーロの問題がはっきりするまで、短期の売買以外には株式には手を出さない」という投資家の見方も多い。

 そうした投資判断の分水嶺は、ユーロ圏のソブリンリスクなどの問題の行方をどう見るかだ。著名ファンドマネジャー氏は、「ユーロ問題の原因は明確になっており、早晩解決に向かって進み出す」と見る。

 一方慎重派は、「原因や解決策ははっきりしているが、それを実行できるかわからない」と見ている。

 さて、これからどのような展開になるだろうか。私自身は、欧州株に限らず、今すぐに株式投資を積極化させるには、ユーロ問題などのリスクが大きいと考える。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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