[東京 19日 ロイター] - 国土交通省が19日発表した2017年7月1日時点の都道府県地価調査(基準地価)によると、全国の住宅地・商業地を含む全用途平均が前年比0.3%下落となり、8年連続でマイナス幅が縮小した。前年は同0.6%下落だった。

商業地は同0.5%上昇で、横ばいだった前年から上昇に転じた。上昇はリーマン・ショック前の2007年調査以来、10年ぶり。住宅地も同0.6%下落と8年連続でマイナス幅が縮小。商業地・住宅地ともに札幌・仙台・広島・福岡の「地方4市」が引き続きけん引役となっている。

全国平均で上昇に転じた商業地は、外国人観光客の増加などによる店舗・オフィス需要の高まりや、都市中心部での再開発などを背景に堅調な動きを続けている。主要都市におけるオフィス空室率の低下で収益性も向上しており、不動産需要は旺盛という。

地域別にみると、東京・大阪・名古屋の3大都市圏は同3.5%上昇となり、前年の同2.9%上昇から伸び率が拡大。東京都では、23区すべてが上昇を続けており、中心区の周辺も上昇率が拡大している。

さらに上昇が目立つのが地方4市。同7.9%上昇と3大都市圏を上回る伸びを続けている。特に福岡市は同9.6%上昇と2桁近い伸びとなっており、外国人観光客の増加や旺盛なオフィス需要を背景に、店舗やホテルなどの土地需要が増加している。

住宅地も底堅い動き。国土交通省によると「雇用情勢の改善が続く中、住宅取得支援政策等の下支え効果もある」という。

3大都市圏は同0.4%上昇と3年連続で同水準の伸びにとどまっているが、こちらも地方4市が同2.8%上昇と堅調。同5.2%上昇に伸びを高めた仙台市では、2015年12月の地下鉄東西線の開業で交通利便性が高まった地区の住宅地需要が引き続き旺盛としている。

また、4市以外の地方市町村の平均でみても商業地、住宅地ともに下落幅が縮小しており、地方圏全体で地価の持ち直しが続いている。

基準地価は各都道府県が毎年7月1日における調査地点の価格を調査・公表し、国土交通省が全国状況を取りまとめている。今回の調査地点は2万1644地点。国交省が実施する地価公示(毎年1月1日時点の調査)と実質的に相互補完的な関係にある。

(伊藤純夫)