9月14日、欧州連合は域内の為替関連デリバティブ取引について、来年1月から変動証拠金規則を導入する。写真はユーロなどの紙幣。ワルシャワで2011年撮影(2017年 ロイター/Kacper Pempel)

[ロンドン 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)は域内の為替関連デリバティブ取引について、来年1月から変動証拠金規則を導入する。トレーダーの話では、これに伴って特にヘッジファンドや保険会社など大規模な取引残高を抱える金融機関は、為替リスクの管理がより難しく、かつコストも高くなるという。

 為替フォワードなどを通貨変動回避のために利用している銀行や企業、ファンドなどが新たに変動証拠金を課される。つまり、日々の取引に見合う現金を担保として用意しなければならない。余計な資本手当てが必要になる以上、金融市場での投資活動を鈍らせるだろう、と市場参加者は懸念する。

 ステート・ストリート(ロンドン)の欧州中東アフリカ地域通貨責任者ジェームズ・ビニー氏は「欧州全体で為替フォワードへの証拠金を積み増すことを求める規則は、この地域の金融システムにとって衝撃だ。とりわけ投資業界は全般的に影響を強く感じることになる」と述べた。

 ヘッジファンドのあるトレーダーは「1つの取引に対する資本手当ての規模は小さいが、積み重なると投資能力が制約を受ける」と危惧する。

 もっともそれこそが肝心な点だと指摘する声もある。この規則は、大手投資家に日々の為替変動に応じた証拠金差し入れの義務を負わせることで、2008年の世界金融危機につながった無謀な取引を抑え込むのが狙いだ。