英語でメールを書くときに、ビジネスパーソンが知っておきたいテクニックを紹介する連載です。
9月15日の記事では、「Sorryは気軽に書くな!」という、謝罪メールの鉄則を紹介しました。
今日は、「相手に不快感を与えずに、相手にとってイヤなことを書く方法」を紹介します。

今日の鉄則:ネガティブなことを書く時は
ポジティブなエネルギーを補給しながら書く!

 今日の鉄則はとても大事なので、メールを書くときは、いつも意識するといいでしょう。
 人づきあいでも、ネガティブな考えの人とは、あまり話したいと思いませんが、明るい雰囲気を持つ人には、近づきたいと感じます。

 メールも一緒。イヤなことをそのまま書けば、メールの雰囲気は悪くなり、相手は読みたい気持ちになりません。相手の心が閉じれば、ビジネスに支障をきたします。
 とはいえ、相手にとってイヤなことも、ときには言わなければならないのがビジネスです。
 その難題を解決するのが、今回の鉄則です。

 メールでイヤなこと( - )を書くときは、事前に良いこと( + )を書いて、プラスのエネルギーを高めておきます。
 そして( - )を書くとトーンが下がるので、そのすぐ後に、また良い事( + )を書き加えて、プラスのエネルギーを補給します。

 つまり、+ - + の形にして、-を+ではさむのです。
 そうすると、全体的にプラスの雰囲気になります。
 イヤなことを2つ書く場合は、+ - + - + とします。
 
 また、基本は + - + ですが、ポジティブな雰囲気が足りないと感じた時は、+を増やしてください。トータルで、メールをプラスの雰囲気にすることがポイントです。

 + のことなんて、そうかんたんに考えつかないよ…と思う人もいるかもしれません。
 でも、考えればなにか出てくるものです。
 たとえは、相手のパフォーマンスの9割を不満に思っていても、残りの1割、なにか良い点があるのではないでしょうか。
 + は、雰囲気を作るためのものなので、些細なことでもかまいません。

ウザい内容も、この書き方なら印象が変わる!

 それでは、日本のメーカーの担当者が、米国の販売代理店に、売り上げ見込みを尋ねるメールを考えてみましょう。
 担当者が本当に書きたいことは、以下の2点です。

 ・米国の販売代理店に卸した商品の在庫が積みあがっているようだが、さばける見込みはあるのか?
 ・米国側の今後の売り上げ見込みを今週末までに報告してほしい。

 これらは、米国側からすれば「ウザい」と思われがちな要求です。
 でも、ビジネスパーソンとしては、これらの要求はしなければならないわけです。
 そこで、ポジティブな要素でサンドイッチすることにしました。

 (1)まず、ポジティブなことを書く
 ・そちらの先月の売上が、以前よりも良かったことを、とてもうれしく思います。
 ・御社の販売が向上しつつあることを願っております。

 (2)本当に書きたいことを書く
 ・一方、在庫レベルは依然として高い水準にあります。
 ・この点を考慮の上、9月から来年3月までに毎月何台購入いただけるか、報告をいただけますか。

 (3)もう一つ要求を書くために、クッションを挟む
 ・もし、何か情報が必要であれば、遠慮なくお問い合わせください。

 (4)もう一つの書きたいことを書く
 ・上記の情報を今週末までに送っていただけますか。

 (5)相手にとってイヤなことを書いた後はポジティブなことを書く
 ・私は近々開かれるセールスミーティングで、御社の販売は難しい市況にもかかわらず、挽回していることを報告したいと思っております。
 ・ご連絡を心待ちにしております。

 ◆相手を不快にさせて、ビジネスを停滞させてしまうメール例

『思い通りに相手を動かす 英文パワーメール20の鉄則』より。右のふきだしは、メールを読んだ相手の気持ち。文字は、太い文字はポジティブな内容を、グレーの文字はネガティブな内容を表す。冒頭の一文以外は、すべてグレーの文字(ネガティブな内容)なので、相手はイヤ~な気持ちに。こちらに理があっても、これではビジネスはうまくいかない。
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 ◆ポジティブな要素を増やして、ビジネスが前進する「パワーメール」に!

『思い通りに相手を動かす 英文パワーメール20の鉄則』より。グレーの文字(ネガティブな内容)を太い文字(ポジティブな内容)で挟んでいるのがわかる。全体的にも太い文字(ポジティブな内容)の方が多く、前向きな印象を与えるメールになっている。
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 今回ご紹介したテクニックは、拙著『思い通りに相手を動かす 英文パワーメール20の鉄則』では、「鉄則7:ポジティブなエネルギーを補給しながらメールを書く」として紹介しています。

 本の中では、メールの読み手の気持ちをふきだしにしたり、一文ごとに解説を入れて、書き方のコツを見やすく紹介しています。
 また、共著者のダニエル先生による、ネイティブならではの、こなれたメールの例も掲載しています。

 相手にとってイヤなことを書くときは、ネガティブな文章の前後に、ポジティブな文章を注入して、全体的にポジティブなエネルギーが勝る書き方をしましょう。
 
 この方法は、今回のような依頼メールだけではなく、ほとんどすべてのメールで有効です。
 相手はこちらのメールを気持ちよく読めるようになるので、よい返事が来やすくなります。

 次回は、この鉄則も活用しながら、さらに「言いづらいことを上手に伝える方法」をご紹介しましょう。