新聞記事はすべて署名記事に

 最後に、もう一つお願いしたいことがある。それは、前述したオープンな定期会見の原理原則を新聞記事にも反映してほしい、ということだ。すなわち、すべての新聞記事を署名記事にするということである。仮にペンネームであっても一向に構わない。要は、記者が特定できればそれでいいのである。

 ある記者の書く一連の記事が、決してマッチポンプではなく、きちんと整合性が取れていることを誰でも検証できる仕組みが署名記事である。署名記事にすることは、記者のレピュテーションを高めることにも繋がり、よい記事を書こうとする記者のインセンティブを高めることにもなる。まさに、一石三鳥ではないか。

 今なお圧倒的な力を持つ新聞界の自己革新を祈ってやまない。この国の改革を担うのは、市民自身に他ならないが、新聞界の影響力を度外視して改革を行うことは、出来ないと考えるからである。

(文中、意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)