寝苦しい夜、脳はどうなっているのか?

 このように、自律神経の精妙な働きによって、人間の体は常に一定範囲の状態に保たれています(これをホメオスタシス=恒常性と呼びます)。

 とはいえ、最近の日本の夏の暑さは格別。自律神経の働きが追いつかず、熱中症で亡くなる方も増えています。

 冬はふとんをたくさん掛けて寝ればまだ何とかなりますが、夏は猛暑に加えて湿度が高く、薄い肌掛け1枚で寝てもなかなか眠れなくて苦労します。

 窓を開けて寝たとしても、風がないのであまり効果がなく、防犯上、窓は開けられないという家も多いでしょう。

 日中も汗をかいて自律神経はフル稼働しているのに、寝ているときまで汗をかいたら、脳、自律神経の中枢は休む暇がなくなります。

 先に述べたように、これは夜間、仕事をしたり、運動したりしているのと同じ状態です。こんな寝方をしていたら夏バテするのも当然です。