9月10日、難民申請者に2年前国境を開放したメルケル独首相(写真)は、その後自身の支持率が急降下するなかで、これまでの政治キャリアにおいて「どん底」とも言える状況からはい上がってきた。写真は8月、選挙キャンペーンに臨む同首相(2017年 ロイター/Matthias Schumann)

[ベルリン 10日 ロイター] - メルケル首相は、ドイツ北部で最近行った選挙演説の終盤で、2015年の欧州難民危機に触れ、二重の意味をはらんだ元気づけるメッセージを聴衆に送った。

 漁村スタインヒュードに集まった1000人を超える聴衆に対して、中東の戦火や迫害から逃れてきた数十万人の難民申請者に対して暖かい歓迎を示したことを、ドイツ国民は誇りに思うべきだ、とメルケル首相は語りかけた。

 そこで語調を変え、「2015年に起きたことの再現はあり得ないし、それを許してはならない」と断言した。

 今月24日実施されるドイツ連邦議会(下院)選挙において、4選が有望視されるメルケル首相は、このフレーズを各地の街頭演説で繰り返してきた。

 2年前、メルケル首相は「迫りくる人道上の大災害」を防ぐため、難民申請者に国境を開放した。その結果、自身の支持率が急降下するなかで、同首相はこれまでの政治キャリアにおいて「どん底」とも言える状況からはい上がってきた。

 この復活劇には多くの要因がある。だがそのなかでも特に重要だったのは、2015年の国境開放に対する賛否はともかく、難民危機について、ドイツ国民の多くが支持できるストーリーを紡ぎ出すことのできるメルケル首相自身の手腕だ。