[フランクフルト/ロンドン 20日 ロイター] - ドイツの工業大手ティッセンクルップ<TKAG.DE>とインドの鉄鋼大手タタ・スチール<TISC.N>は20日、欧州の鉄鋼事業を統合することで暫定合意に達したと発表した。折半出資で設立する新会社はアルセロール・ミタル<MT.AS>に次ぐ欧州第2位の鉄鋼会社となる。

欧州の鉄鋼市場は中国などから低価格の製品が流入する一方で、建設需要は盛り上がりを欠き、両社は過剰生産能力の削減を迫られていた。

ティッセンクルップとタタは事業統合に関する覚書(MOU)に署名。発表によれば、社名はティッセンクルップ・タタ・スティールとし、アムステルダムに本拠地を置く。

年間で4億─6億ユーロ(4億8000万─7億2000万ドル)のシナジー効果が見込まれるという。また統合により、最大で従業員合計の約8%に当たる4000人が解雇される見込み。

ジェフリーズのアナリスト、セス・ローゼンタール氏は顧客向けリポートで「ティッセンクルップの中核事業である資本財部門は再評価が適切とのわれわれの主張を裏付ける前向きな動きだ」と評価した。投資判断は「買い」としている。

ティッセンクルップによると、覚書の署名に続いて統合の詳細や資産査定について協議する。2018年初めに合弁契約を結べる見込みという。

今回の事業統合はティッセンクルップの監査役会とタタの取締役会のほか、欧州連合(EU)欧州委員会の承認が必要となる。

クラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相は業界団体幹部と連名で声明を発表し、両社の事業統合について「雇用を守りポートタルボットの高炉を長期にわたって維持するという約束を順守する限り」歓迎すると表明した。

タタがウェールズのポートタルボットに所有する鉄工所は英国最大。同社は大幅な赤字を出したことを受けて1年以上前に英国の資産を売却する意向を示している。