いま、遺言や相続で悩まれている方が増えています。人それぞれ、いろいろな問題を抱えていますが、遺言があった場合となかった場合では、どう違うのでしょうか。ユニークな遺言の書き方を提唱する『90分で遺言書』の著者・塩原匡浩氏に、遺言のポイントを聞く。

相続人がいない、おひとりさまも
自分の意志をのこそう

「身寄りがいないのですが、私が死んだら財産はどうなりますか?」とよく聞かれます。相続人がいない場合は、特別な事情がない限り、遺産は国庫に帰属(返納)します。

 そこで、親しい人やお世話になった人に遺産をあげたいとか、社会福祉団体・菩提寺・教会や子供の貧困対策として注目を集めている「こども食堂」などに寄付したいといったときには、その旨を遺言に残しておく必要があります。

 最近、おひとりさまが話題になることがよくあります。言葉が独り歩きして、前向きに人生を謳歌している女性のイメージが強いですが、性別や年齢に限らず、離婚や死別で独り身になった方も含まれます。

 おひとりさまで一番心配なのは、経済的に自立できるかどうかです。

 夫婦のみのご家庭などでは、パートナーの経済力にもよりますが、暮らしの手立ては十分考えられます。扶養家族になることが一般のケースでしょう。

 ところが、まったくセーフティーネットがなくなる可能性があるのが、おひとりさまが病気になったときなのです。