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田中秀征 政権ウォッチ

「野田カラー」が見えない!
首相は“行政の長”である前に“政治の長”であるべき

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第104回】 2011年10月6日
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アドリブを乱発させた菅前首相と
“安全運転”に心がける野田首相の違い

 野田佳彦政権が発足して1ヵ月が経った。

 気になるのは、このところ政治の舞台から無意識に目を逸らす人が多くなってきていることだ。

 菅直人前政権では、主役である首相の一挙手一投足が注目され、舞台から目を逸らす人はあまりいなかった。

 主役が台本を無視してアドリブを乱発するから脇役は戸惑い、観客席から厳しい野次が飛んだ。

 だが、野田首相は、財務省作といわれる台本に忠実で余計なパフォーマンスはしない。

 だからか1ヵ月もすると、席を立つ人や居眠りする人が出てきている。最近の世論調査でも、内閣支持率はおおむね数ポイント下落した。

 菅前首相は、反小沢、反自民の世論をテコにして政権を運営しようとしたが、野田首相は逆に、党内融和と与野党協調によって“安全運転”に心がけているらしい。

 しかし、前首相が退陣して1ヵ月も経つと、人々の関心は前首相から新しい首相に集中してくるのは当然だ。党内融和と与野党強調で何をするのか。首相は大震災対応を最優先課題としているものの、額面通り受け取る人は少なく、やはり日増しに、消費税増税政権の色合いを強めている印象だ。

 「党内融和」と「与野党強調」で、党の内外の対立が弱まり、政局はなぎの状態、無風状態に変わりつつある。それにつれて国民の目が舞台から離れ始めているのだ。

 このなぎの状態は政権にとって望ましいことではない。これを打開するのは、首相自身の強烈な個性や主張であり、それ以外にはないだろう。今のところ野田首相からは見えていない。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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