――トリプルメディアマーケティングについて、花王の具体的な取り組みを教えてください。

石井 たとえば、昨年春と秋に実施した「ヘルシアウォーター」のキャンペーンがあります。この商品のコンセプトは「『歩く』を応援する」です。

 キャンペーン参加者がツイッターで「何分間歩いた」などとつぶやくと、それを距離に換算して当社から返信する。参加者が多ければ累計の距離も伸びます。秋には、累計距離で世界1周を達成しました。


――「ヘルシアウォーター」と「歩く」がひもづく声を集めるために?

石井 それは私たちの望みですが、こちらからはお願いはいっさいしていません。しかし、キャンペーンが進むにつれ、「ヘルシア」と「歩く」という言葉がセットで登場するツイートが増加しました。消費者とブランドの絆が強化されました。

 今年秋にも、新しいアイディアを盛り込んで同様のキャンペーンを実施しています。

横山 ソーシャルメディアを情報伝達のために活用している企業は多いのですが、これは対話まで踏み込んで実施した事例ですね。