その3:スマホの「タイマー機能」がNG――注意散漫のもと

 私は、自分がプレゼンをおこなっているあいだは「お手元のデバイスをサイレントモードにしてください」と頼むことにしている。どうしてもメールなどを打たなければならない場合は、いったん退席し、室外で用事をすませてもらう。そうすれば出席者全員と共有する空間を邪魔されずにすむからだ。

 事前にこう頼めば、出席者はたいていスマホをしまってくれる。すると、ときには数百人もの出席者が、同席者とそこでかわされている会話に集中しはじめる。そうした光景を見るのは、じつに気持ちがいいものだ。

 そのいっぽうで、私はプレゼンの内容に工夫をこらし、出席者がなんらかのかたちで活動に参加できるようにしている。

 そうした場で時間配分が必要な場合、スマホのタイマー機能を使うのが便利だ。

 だがこれでは利害の対立が生じてしまう! スマホのタイマー機能を使うことで、スマホのほかの機能ともつながってしまうからだ。そして、そうした機能の大半は、目の前のプレゼンとは無関係である。

 幸い、この問題は簡単に解決できた。昔ながらのストップウォッチをさがしだし、首から紐でぶらさげることにしたのだ。これが案外、オシャレだった。

 読者のみなさんも、スマホの代わりにストップウォッチや目覚まし時計を使ってみてはいかがだろう? いまではすっきりしたデザインのものも多く、出張用の薄型の目覚ましなどもある。

 私たちの脳は、簡単に脱線したり、横道にそれていったりする。だから、買い物にでかける前には、買うべきモノのリストを紙に書き留めておこう。あるいは、プリントアウトしてもいい。

 また、パソコンで細かい作業をするときには、ネットとの接続を遮断し、目の前の作業に集中しよう。

(本原稿はデボラ・ザック著『SINGLE TASK 一点集中術』から抜粋・編集して掲載しています)