今10歳の日本の子どもは「107歳まで生きる確率50%」の真相

日本の平均寿命は
先進国でトップ

 英国のリンダ・グラットン教授によれば、2007年に日本で生まれた子どもについては、107歳まで生きる確率が50%もあるという。こうした展望に対応し、政府は今月11日、有識者を集めて、将来の超長寿社会の教育、雇用、社会保障のあり方などを議論する「人生100年時代構想会議」をスタートさせた。

 しかし、本当に我々は100歳以上まで生きることになるのであろうか。それは一体どういうことなのであろうか。今回は、「ヒトは何歳ぐらいで死ぬものか」について、これまでの推移を追ってみよう。

 まず、長寿に関して、必ず引用される平均寿命のデータについて、簡単に振り返っておこう。

 2016年の日本人の平均寿命は男が80歳、女が87歳となっており、主要先進国の中ではトップである(図1)。高度成長期以前には、主要先進国を大きく下回っていたのだから、日本の長寿化に向かう勢いは、まことに驚異的だったと言っていい。特に、今や、主要先進国の中で平均寿命が最も短くなった米国との平均寿命逆転の推移は、すこぶる印象的である。