海外市場にいち早く進出
小さく産み大きく成長

 同社は海外生産でも先駆者として1978年に東南アジアに進出。現在では13カ国に18拠点を展開するグローバル企業へと躍進した。

 「当社の事業戦略には『小さく産んで大きく育てる』という思想があります。つまり、他に先駆けて一歩でも早く先を行き、これを大切に、成長へと導くのです。最初の一歩は大変勇気のいることで、決断力が必要です。

 また、担当する人も大変苦労して成功に導かねばなりません。日本国内で展開していないものを海外で新規に作り始めるのは無謀ですから、当時国内で生産していた製品をベースとした生産からスタートしました。今後は、新興国で今後伸びるボリュームゾーンの製品群など、各地域の需要に応じた製品づくりにも注力していきます」(谷氏)

 「大きく育てる」という思想には人材育成に注力し、人を育てることで企業を成長に導く考えもある。  「当社では『技術塾』『ものづくり塾』『営業学校』などの社内研修制度を充実させ、特に新入技術者は基礎教育を卒業することを配属の条件としています」(谷氏)

 ベルトメーカーのパイオニアとして歩み続けてきた同社は、現状に満足することなく、より大きな成長を目指している。

 「ますますグローバル化するなかで、技術的にもさまざまなイノベーションが見られます。社員一人ひとりが自分の現状の仕事に満足していないで、さらに大きな目標に向かってチャレンジすることが大切です」(谷氏)

 同社は海外を中心とした大きな潜在需要に応えられるよう、研究開発にもさらに注力していく方針だ。