9月25日、安倍晋三首相は、臨時国会冒頭の28日に衆院を解散する意向を表明すると同時に、2019年10月に実施する消費増税分の使途変更を訴えた。写真は首相官邸で記者会見する安倍首相(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 25日 ロイター] - 安倍晋三首相は25日、臨時国会冒頭の28日に衆院を解散する意向を表明すると同時に、2019年10月に実施する消費増税分の使途変更を訴えた。子育て支援などで2兆円規模の新たな対策を年内に策定し、来年度以降の予算に反映させたい考えだが、専門家の間では賛否両論が噴出している。

 具体的な制度設計は10月22日投開票の衆院選後になるが、借金頼みの政策運営に傾けば、財政規律の緩みだけが際立つことになりかねない。

 安倍首相は25日、衆院解散の理由の1つとして消費増税時の使途変更を掲げ「人づくり革命」「生産性革命」を推進する考えを示した。増税の使途変更に伴い、2020年度としていた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化の時期を事実上先送りすることも正式に表明した。

写真は内閣官房参与の藤井聡氏。8月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 これに対し、与党や党に近い専門家からは「一定の評価をしたい」(京都大大学院教授、内閣官房参与の藤井聡氏)との声が出ている。

 藤井氏は、もともと増税によって得られた税収を借金返済に充てることに否定的な立場。

 先に実施したロイターとのインタビューでは「増税分の一部を借金返済に充てるということであれば、成長に巨大なブレーキがかかる。教育や社会保障だけにとどまらず、増税分はワイズスペンディング(賢い支出)につなげなければならない」と指摘し、15兆円規模の大型補正予算が必要と訴えた。