[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日公表した7月19、20日開催の金融政策決定会合議事要旨によると、複数の委員が物価2%の実現を中長期的な目標と位置づけるべきと発言していたことが分かった。1人の委員は、現在の「できるだけ早期に」物価2%を実現するとの姿勢は、政策の自由度を制約し、金融政策の正常化を困難にすると主張した。

会合では、物価2%目標の実現は「わが国経済にとって重要である」との認識で大方の委員が一致し、理由として何人かの委員が「主要国が2%という同じ物価上昇率を目指すことは、長い目でみた為替レートの安定にも資する」ことを挙げた。

もっとも、複数の委員は物価2%の実現は中長期的な目標に位置づけるべきと主張。ある委員は「できるだけ早期に」2%を実現するとの現在の姿勢は「政策の自由度を制約し、先行きの金融政策の正常化を困難にする」との見方を示した。

別の委員は「できるだけ早期に」目標を実現する姿勢を維持しながらも、「物価の安定が経済・金融の安定を含む包括的な概念であることを踏まえ、中長期的かつ柔軟な目標と位置づけることが適当」と発言した。

同日の会合では「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の議論が行われ、消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)見通しを下方修正するとともに、物価2%の到達時期を「19年度頃」に1年先送りした。

黒田東彦総裁が就任して以降、6回目の目標先送りとなったが、ある委員は「先送りを繰り返すことは、日本銀行の信認にかかわる」と苦言を呈した。

労働需給の引き締まりが続いているにもかかわらず、物価が緩慢な動きになっている背景について政策委員は、企業が省力化投資やビジネス・プロセスの見直しによって「賃金上昇コストの吸収を図っている」との見方を共有した。

先行きについて多くの委員は、「労働需給の引き締まりが続く中、賃金コスト吸収のための対応にも自ずと限界がある」とし、企業の賃金・価格設定スタンスは次第に積極化していくと指摘。

複数の委員は、労働生産性の向上によって「成長期待や恒常所得の増加を通じて需要が押し上げられ、物価に上昇圧力が加わっていく」とも述べた。

また、需給ギャップの一段の改善には「金融政策だけでなく、需要創出型の構造改革など政府が果たす役割も大きい」など何人かの委員が政府の取り組みの重要性を主張している。

(伊藤純夫)