京大・特色、一橋大・推薦は 18年度から全学部に拡大

 20年度からの新共通テスト実施に向け、高大接続改革の議論は大詰めを迎えているが、推薦・AO入試は新共通テストなどを活用して、「知識・技能」をきちんと問うことを前提に定員を増やすことがほぼ固まっている。

 こうした議論を受けて、国立大学協会でも推薦・AO(IB取得者対象入試などを含む)の入学定員を21年度に30%に拡大する目標を掲げている。17年度が16.2%だったことを考えると、かなり意欲的な目標といえる。

 だが、私立大人気が高まる一方で、志願者微減が続く国立大としては、推薦・AOの募集人数を増やすことで何とか巻き返しを図りたいところ。合格者に占める推薦・AOの比率が、すでにほぼ5割となっている私立大による“青田刈り”を防ぐためにも、推薦・AO拡大は待ったなしの状況だ。

 18年度入試でも、国立大では次のような新しい動きがある。

● 京大は、工学部の建築学科(募集人数2人)と物理工学科(5人)、薬学部薬学科(3人)が新たに特色入試を導入、これにより全学部全学科で特色入試が実施されることになる。

● 東京医科歯科大医学部の医学科、保健衛生学科、歯学科などで推薦入試を実施。試験は小論文と面接。医学科はセンター試験を課す(得点の目安は8割以上)。

● 一橋大は17年度に商学部だけで実施した推薦入試を18年度から全学部に拡大、これに伴い社会学部と法学部で一般入試の後期日程を廃止。推薦入試の募集人数は全学部合わせて50人。

 このほか、神戸大は19年度から「志」特別入試と名付けたAO入試を始める。この入試ではセンター試験を課さず、書類審査とレポート、総合問題、小論文、面接などで評価する。実施するのは、文・国際人間科学・法・医・工・農・海事科学の7学部15学科で、募集人数は48人。女子学生に人気を集めそうだ。

 一般入試以外での受験機会はどんどん増えているので、国立大志望者は、入試情報をこまめにチェックしておいたほうがいい。