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吉田恒のデータが語る為替の法則

「暗黒の10月」になるか、今週が正念場。米金利急騰→米ドル/円上昇の可能性も!

吉田 恒
【第156回】 2011年10月12日
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 夏以降、金融市場では不安定な状況が続いています。

 ところで、10月はこれまで、記憶に残るような株の暴落や為替相場の乱高下が少なくありませんでした。今年も、そのような「暗黒の10月」になるのでしょうか?

 この10月中旬が、それを見極める重要なタイミングになりそうなのです。

「暗黒の月曜日」も、「暗黒の木曜日」も10月だった

 10月の株の暴落としては、「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」と「ブラックサーズデー(暗黒の木曜日)」がまずは思い浮かぶところでしょう。

 「ブラックマンデー」は、1987年10月19日に起こったNY発の世界同時株暴落です。米独対立など、先進国の協調亀裂懸念などをきっかけに世界的に株価が暴落し、少し間を置いて、米ドルの暴落にも波及しました。

 しかし、株価は比較的すぐに大底を打つところとなりました。

 当時最も勢いのあった日本株はすぐに暴落前の高値を更新し、むしろ、1989年末まで一段高へ向かうといった展開で、それは「日本株バブル」が拡大する上での通過点に過ぎませんでした。

 これに対して、「ブラックサーズデー」は1929年10月のNY株暴落です。これをきっかけに、世界恐慌が広がっていったのです。

 ただ、この株価下落は「ブラックマンデー」と異なり、長期化しました。NYの株価は1932年に大底を打つまで、じつに3年近くも下落が続き、その中で最大下落率は8割にも達したのです。

為替相場でも、1日にドル/円が10円急落する波乱があった

 さて、為替の「10月波乱」でまず思い浮かぶのは、1998年でしょう。

 この年の米ドル/円は、8月に147円まで上昇しましたが、10月に入り、とくに6日から8日までの3日間で、135円レベルから一時は111円まで、なんと24円も大暴落したのです。

 6日と7日は1日の間に最大10円も米ドルが暴落しており、それが2~3日も続いたのですから、「為替史上最悪相場」の1つと言えるでしょう。

 また、「100年に一度の危機」の最中、2008年10月の米ドルの暴落も、最近では忘れられない「10月波乱」でしょう。この年の10月24日の米ドルは、98円から一時90円割れ寸前まで急落しました。

 このように、記憶に残る荒れ相場が株・為替ともに思い出される10月ではありますが、もちろん、荒れない10月もなかったわけではありません。

 次の「資料1」で米ドル/円の平均値幅を見ると10月は4.9円ですから、特別に大きいわけではありません。

資料1

 また、米ドルの対円騰落状況は9勝7敗で、わずかですが米ドル高が多くなっていました。その意味では、「暴落の10月」というわけでもなさそうです。

 はたして、不安定な展開が続く今年は、この10月をどのように乗り切るのでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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