日系大手企業が秋冬のインターンシップ選考を開始している。売り手市場と言え、人気企業はインターン参加に向けた選考すら通過するのは難しい。一喜一憂を繰り返す就活生に、親は、何をしてあげられるのか。毎年300人以上の就活生を指導するキャリアデザインスクール我究館 館長、書籍『絶対内定』シリーズ著者の熊谷智宏氏に聞いてみた。

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我究館生と日々、接していてつくづく思うことがある。それは「親の影響力の大きさ」だ。これは良い意味でも悪い意味でも働く。就活生が進路を決める大きな力になることもあれば、大きな妨げになることもある。今回は、就活生たちに聞く、「親にしてもらって助かったこと」を3つの点から説明していきたいと思う。

「金銭」のサポート

いきなりお金の話になってやや不謹慎かもしれないが、切実な事情があるので最初に挙げさせてもらった。

近年の就職活動の鍵は「行動量」になっている。本選考にかぎらず、インターンシップ、説明会、OBOG訪問など、企業との接点がすべて評価の対象(選考の場)になっているため、学生は競って多くの場に足を運び、志望度の高さをアピールしている。

インターンシップは5日間のものも多くあり、この期間中は朝から晩まで課題に追われる。それに3~4社参加しながら、複数企業の説明会へ参加し、OBOG訪問も行う。さらには、大学の授業やレポート、テストも並行してこなさなければいけない。

それぞれの活動には交通費や、隙間時間のカフェ代、外食費などがかかる。通常の大学生活よりも出費が増えるのが現実だ。アルバイトなどを通して収入を増やそうにも、肝心な時間がない。限られた時間の中でアルバイトをできたとしても、かなり制限された経済状況で活動をしなければいけないのである。

「アルバイトをしていたら就活ができない」

というのが、多くの就活生の本音だ。

ここに親のサポートがあると心から助かることは言うまでもない。

「メンタル」のサポート

次に、メンタルのサポートだ。インターンシップも含めれば、大学3年生の早い段階から選考があり、その結果は子どもを一喜一憂させる。僕の経験上、選考に落ちると多くの大学生は非常に落ち込む。極端な場合、「どこも受からないのではないか」と強い不安に襲わてしまう学生もいる。

さらには、周囲の友人が、自分が落ちた企業に通過していたりすると、苦しい胸の内を友人に話すことすら難しいこともある。そんなときに頼りになるのが、親なのである。

学生と話していて一番よく聞く「親がしてくれて助かったこと」は

「まず、ひたすら話を聞いてくれる」というものだ。

親世代とは、時代背景も違えば就活のプロセスも違う。話を聞くよりも先にアドバイスをしてしまうとピント外れの発言になってしまい、「わかってくれない」と反発されてしまう可能性もある。それでは、相談する先を失ってしまうのである。

僕なりの解釈をするのであれば、親という「何があっても応援してくれている存在」が「ただ、ひたすら話を聞いてくれる」状態が就活生には必要なのではないかと思うのだ。

「自己分析」のサポート

就職活動といえば自己分析。

選考で自分をPRするのにも、志望動機をするのにも、自己分析は欠かすことができない。

しかし、これがうまくいかずに苦しんでいる就活生が多い。

原因は「自分で自分を客観視することが難しい」からだ。

ここで親がしてあげられることは多い。

就活生にとって、幼少期から自分のことを見てくれている存在から、たとえば強み、弱み、大切にしてきた価値観、などを他己分析してもらうことは発見が多いし、何より説得力がある。

「あなたは昔から〇〇なところが素敵だった」

「昔から〇〇にこだわりが強くて、何時間でも△△していた」

などと、自分では忘れていたような一面を話してもらうことによって自分の価値観に気づくことができるようだ。

物理的に距離が離れていても、上記の3点であればサポートすることは可能だと思う。

就職活動という大きな人生の分岐点において、ぜひ可能な範囲でサポートをしてあげてほしい。