流通業界で百貨店を抜く大きな市場規模がありながら、いまだ群雄が割拠するドラッグストア業界。大手が主導し中小ドラッグストアを取り込む再編が活発化している。だが小規模チェーンが多く、寡占化が進まず、業界としては非効率な状態が続く。しかし、業界の再編を一気に加速させるキッカケはある。それは燻っている大手同士の経営統合である――。(流通ジャーナリスト 森山真二)

22年間業界首位だった
マツキヨは3位に転落

 郊外のロードサイドが主戦場であり、目立たない存在だったドラッグストアチェーンを、表舞台に引っ張り出したのはマツモトキヨシ(現マツモトキヨシホールディングス)である。業界に与えた影響は大だ。

 マツキヨHDは駅前一等地戦略を業界に先駆けて展開し、出店やランニングにかかるコストは小さくないが、売上高がそのコストを上回り儲かる仕組みを築いたからだ。

 この駅前一等地戦略の店舗が広告塔となり、地味なドラッグストア業界にあってマツキヨの知名度は抜群。22年間もドラッグストア業界売上高トップの座にあった。

 それがここ1~2年であれよあれよという間にトップの座から陥落、しかも2位にとどまり切れず、3位にまで転落してしまったのだ。

 その理由はM&A(合併・買収)策を展開するウエルシアHDと北海道地盤だったツルハHDの追い上げだ。

 ウエルシアHDは元来、イオンと資本業務提携しており、同じイオンの“ドラッグ連合”であるCFSホールディングス(ハックドラッグ等を展開)やタキヤ、また静岡地盤の高田薬局などという中堅、中小のドラッグストアを次々と飲み込んで成長。マツキヨHDは2017年3月期の決算で連結売上高5351億円となり、ウエルシアHDの17年2月期の6231億円に抜かれた。