9月25日、ニューヨークとロンドンの原油先物指標が大きく異なる動きを示し、石油トレーダーを困惑させている。仏ニースのガソリンスタンドで2014年12月撮影(2017年 ロイター/Eric Gaillard)

[ニューヨーク 25日 ロイター] - ニューヨークとロンドンの原油先物指標が大きく異なる動きを示し、石油トレーダーを困惑させている。

 石油輸出国機構(OPEC)主導の減産が供給過剰の解消につながっているかどうかを見極める上で、原油先物は重要な物差しとなる。しかし、北海ブレント油先物が需給のひっ迫を反映するように上昇しているのに対し、米WTI先物は大幅な供給過剰が続いているとのシグナルを発している。

 北海ブレント油先物は先月、期近物が期先物より高い「バックワーデーション(逆ざや)」に転じたのに対し、WTI先物は期近が期先より安い「コンタンゴ(順ざや)」が続いている。

 北海ブレント油の逆ざや状態は数ヵ月先の限月までだったが、先週には2019年12月限月まで逆ざやとなった。ゴールドマン・サックスは22日の調査ノートで、今後数ヵ月間こうした状態が続くと予想した。

 アナリストによると、両指標がこれほど長期間にわたって異なる動きを示すのは珍しい。裁定機会が生まれるため、かい離は消滅すると見る市場関係者が増えている。

 かい離の理由は幾つか考えられる。

 米国は先月末、大型ハリケーン「ハービー」の被害で国内の製油能力が大きく削がれると同時に、多くの輸出港やパイプラインが閉鎖され、原油の供給過剰に拍車をかけた。

 トレーダーによると、一部の製油所は今なお稼働率が低いままで、メキシコ湾岸では多数の石油タンカーが荷卸しを待っているため、この地域の供給はさらに増える可能性がある。

 一番の未知数は米国内の原油生産の帰趨だ。米エネルギー情報局(EIA)によると、来年の米原油生産は日量1000万バレル超と、今年初めに比べて125万バレル近く増える見通し。

 しかしコンチネンタル・リソーシズのハロルド・ハム最高経営責任者(CEO)は今月CNBCで、EIAの予想は最大で日量50万バレル多過ぎると述べた。

 トレーダーによると、ハム氏の予想が正しいなら、今後は製油所の需要回復と輸出の持ち直しによって米原油在庫の減少は速まり、北海ブレントとWTIのスプレッドは縮小するはずだ。

(Catherine Ngai記者 Jessica Resnick-Ault記者)