月25日、野球帽にブカブカの黄色いTシャツ姿の李毅杰さん(写真)は、「ピッシー」の愛称で知られる中国では有名なラッパーだが、同国を支配するお堅い共産党の顔としては似つかわしくないルックスだ。北京で8月撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

[北京 25日 ロイター] - 野球帽にブカブカの黄色いTシャツ姿の李毅杰さん(23)は、「ピッシー」の愛称で知られる中国では有名なラッパーだが、同国を支配するお堅い共産党の顔としては似つかわしくないルックスだ。

 李さんのラップグループ「天府事変」は、習近平国家主席が掲げる世界における中国の国家主義的ビジョンとも重なる「紅色力量(Force of Red)」や「這就是中国(This is China)」といった楽曲を発表し、ファンや共産党青年団からの支持を得ている。

 来月開催される共産党大会で2期目の新たな5年間を迎える習主席のもとで、保守的な同党も、社会における自らの役割に新しい活力を与えようとしている。国が裕福になり、人の移動も増え、デジタル化が進むにつれ、従来の権力が試されている。

 高学歴なミレニアル世代の多くが、厳しい雇用市場や大都市圏における住宅費の高騰に直面し、自身のキャリアや将来に希望を見いだせずにいるなかで、共産党も自身の現代化に取り組んでいる。

 こうした努力の一環として、共産党はラップグループ「天府事変」のような自国のポップカルチャーも取り入れるようになった。だがその一方で、狭まりつつある許容範囲を逸脱したインターネット上のコンテンツやエンターテインメントに対する取り締まりを強化している。

 もし党が「古いやり方に固執するなら、若者から拒絶されるだけだ」と李さんは言う。グループ名の「天府」は、出身地である四川省の州都・成都の辺りを指している。