>>(上)より続く

 妻は恥ずかしがって微妙な笑みを浮かべていたのですが、それだけではありませんでした。男性の体液らしき白い液体の跡が妻のスウェット上に計6箇所も付着しており、床には赤の男性用ブリーフが無造作に脱ぎ捨てられていたのです。もし、妻の自撮りなら、どちらかの手の平は写真から見切れているはずですが、妻は両手で陰部を隠しているので、写真の撮影者は件の男性としか考えられません。

「妻が他の男と性交渉しているなんて、まさか夢にも思いませんでした」

不倫の証拠写真の
選定の仕方

 妻の写真フォルダが「ダダ漏れ」状態で不倫の証拠が溢れかえっている場合、何を用いて妻や男性を問いただすのか…証拠の選別が大事です。

 探偵や興信所に依頼した場合、例えば、2人がホテルに入るところと出てくる現場を写真や動画に収めてて調査書という形で依頼主に提供してくれるのですが、過去の裁判例(東京地方裁判所・平成19年5月31日判決)によると、このような証拠があれば、ホテルの部屋で「不貞行為(肉体関係)があった」と認められます。性交渉の有無について言い逃れの余地はないので、白状させるのはたやすいでしょう。

 一方、浩二さんのように男性や妻など素人が撮影した場合は、誰がどう見ても怪しいのに、それでも「これは俺(私)じゃない、人違いだ」と苦し紛れにシラを切ろうとするかもしれないので、写真の選定には注意が必要です。まず写真のデータだけでなく撮影の日時をメモしておけば、「この日はどこで何をしていた!」と追及することが可能で、咄嗟にアリバイを作るのは難しいでしょう。

 次に屋外なら背景の景色、屋内なら周囲に置かれた物が写っている写真を選ぶことが大事です。浩二さんの妻の場合、自宅のリビングでしたが、具体的な場所(動画の場合はトイレの個室、マイカーの中、実家の自室など)を特定した上で「どうなんだ!」と迫れば、少なくとも本人は内心ドキドキしているのだから、ボロが出やすいです。さらに髪型や帽子、上下の服装がはっきりと分かるような写真を使えば、写真の人物と目の前の人物を見比べて「同一人物だ!」と断罪することができます。