[東京 29日 ロイター] - 日銀が29日に公表した9月20、21日の金融政策決定会合の「主な意見」によると、1人の委員が19年10月に消費増税が予定されている中で、追加緩和によって総需要を刺激すべきと主張していたことがわかった。会合では金融政策の維持が賛成多数で決まったが、議論に初めて参加した片岡剛士審議委員が現行政策は不十分として反対票を投じた。

追加緩和の主張は政策維持に反対した片岡委員とみられるが、その委員は19年10月に消費税の増税が予定されているとし、「物価安定の目標の達成・安定化に向けて、追加金融緩和によって総需要を一段と刺激することが必要」と指摘した。

日銀が21日の会合後に公表した声明文によると、片岡委員は反対理由を「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は、2019年度頃に2%の物価上昇率を達成するには不十分」と説明している。

また、片岡委員は物価の見通しについて「原油価格や為替の影響により当面上昇すると見込まれるものの、来年以降、2%に向けて上昇率を高めていく可能性は現時点では低い」との認識を示していた。

主な意見によると、金融政策運営について、複数の委員が、物価2%目標の実現に距離がある中で「現在の強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが重要」と指摘。現行緩和の継続が「時間はかかるものの、2%の物価安定の目標を達成するうえで最善」との声もあった。

ある委員は、物価2%の実現に時間を要することを踏まえて「時間がかかるほど外部環境の不確実性も高まる」とし、「今後、政策の持続性と目標達成にかかる時間の制約の双方を意識する必要がある」と政策の持続性に言及。超低金利の金融仲介機能への影響について「今後、これまで以上に丁寧に点検する必要がある」との意見も出た。

会合では、北朝鮮情勢が緊迫化する中で地政学リスクについて「市場のセンチメントが急激に変化する可能性は、従来以上に意識しておく必要がある」との指摘があった。

(伊藤純夫)