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「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!

朝シャンするより「朝食」を!

──朝飯抜きの生活で狂ってしまう「脳の生体時計」

山元大輔 [監修] [東北大学大学院生命科学研究科教授/理学部生物学科教授]
【第21回】

人間は、脳あってこその存在。人の行動、思考、感情、性格にみられる違いの数々は、すべて脳が決めているのです。「心の個性」それはすなわち「脳の個性」。私たちが日常で何気なく行なっていることはもちろん、「なぜだろう?」と思っている行動の中にも「脳」が大きく絡んでいることがあります。「脳」を知ることは、あなたの中にある「なぜ?」を知ることにもなるのです。この連載では、脳のトリビアともいえる意外な脳の姿を紹介していきます。

朝食を抜くと
脳が「ガス欠」を起こす

 朝に弱い人は、目を覚ましてからも、すぐに行動には移れません。しばらくボーっとしてから、朝のシャワーを浴びたりします。

 それでいて、現代人は朝食を食べないこともしばしば。朝飯抜きでラッシュの電車にゆられ、ようやく会社や学校に着くのです。

 脳は1日あたり400キロカロリーのエネルギーを消費し、そのエネルギー源は血液によって運ばれたブドウ糖です。

 その消費量は、1時間あたり5グラムだとされています。ブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられていますが、そのグリコーゲンの量は、60グラムだとされています。つまり、脳が1時間で5グラムを消費するなら、肝臓のグリコーゲンは12時間はもつ勘定になりますね。

 「それなら脳の栄養は十分ではないか…」

脳が朝食を必要とする理由 そんな風な計算をする人がいるかもしれません。ですが、冷静になって考えてみると、たとえば前日の夜7時に食事をすると、翌日の朝7時以降はエネルギー不足に陥ることになります。

 つまり、朝7時には朝飯を食べ、エネルギーを補給しなければならない計算になります。

朝飯を摂らないと
成績に差が・・・

 では実際のデータではどうでしょうか。

 ここで興味深いデータをご紹介したいと思います。大学の寮で暮らす学生を対象に、朝食を摂ったグループと朝食を摂らなかったグループの学業成績を比較する実験が行なわれました。その結果、朝食を食べた学生たちが、食べなかった学生たちよりも成績が良かったといいます。

 これは自治医科大学の香川靖雄教授によるデータですが、教授によれば、脳内には精密な生体時計があり、それが人間のリズムを決めているといいます。そして、朝食を食べないでいると、その体内のリズムが外界の明暗にうまく対応しなくなり、昼ごろまで脳が活動をはじめないとのことです。

 また、9歳から11歳までの子供を対象にしたデータもあります。それによれば、朝食を食べた子供たちが、そうでない子供たちよりは集中力が高いという結果が出ています。

 それほどの厳密なデータではなくても、教育現場では朝食を摂った生徒や学生のほうが成績が良いと、実際に言われてきました。それは、小学校の教師や大学の教授なら、すでに経験的に知っていることです。

 脳は膨大なエネルギーを消費する精密なシステムですが、そのためには朝食が欠かせないのです。その朝食がブドウ糖となり、精密な知能システムをフル回転させてくれるのです。

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山元大輔 [監修] [東北大学大学院生命科学研究科教授/理学部生物学科教授]

1954年東京都生まれ。東京農工大学農学部卒業後、同大学院農学研究科修士課程終了。理学博士(北海道大学)。ノースウエスタン大学医学部博士研究員、三菱化学生命科学研究所室長を経て、1999年から早稲田大学人間科学部教授。同大学理工学部教授を経て、現在、東北大学大学院生命科学研究科教授。同大学理学部生物学科教授。


「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!

人間は脳あってこその存在。行動、感情、性格の数々はすべて脳が決めています。「脳」を知ることは、あなたの中の「なぜ?」を知ること。当連載では、脳のトリビアともいえる、意外な脳の姿を紹介していきます。

「「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!」

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