企業にデータ分析・可視化基盤を提供するソフトウェア企業「Tableau」(タブロー)のCEOに、ビジネス・インテリジェンス(BI)の未来について聞いた。

日本にはタブローの熱いファンがいる

――タブローのCEOに就任されて、ちょうど1年になります。

AIが企業の意思決定をする日は来るのか<br />――アダム・セリプスキー タブローCEOに聞くアダム・セリプスキー(Adam Selipsky)
Tableau 代表取締役兼 CEO

ハーバード大学で政治学の文学士号および MBAを取得後、戦略コンサルティング企業のマーサー・マネジメント・コンサルティングの社長を務める。その後RealNetworksの役員としてビデオサブスクリプションおよびメディアプレイヤー部門を統括し、Amazon Web Services(AWS)を共同で設立し、10年以上従事した。AWSではマーケティング、セールス、サポート部門のバイスプレジデントを務めた後、2016年に現職

アダム・セリプスキーCEO(以下略) タブローが進めるビジネスが成長する勢いに、勇気づけられる1年でした。日々企業が生み出しているデータは増大しており、それと連動してビジネスアナリティクスの市場も、今後も爆発的に伸びていくと思っています。

 分析の市場が急拡大すると同時に、それだけのデータをどう使っていくのかは、正しいプラットフォーム、ソリューションが必要で、企業の意思決定にタブローがどう役に立つのかを正確に伝えるための努力がますます重要だと思っています。

 タブローにはデータを即座にグラフ化して問題点を明らかにする高い技術があります。そしてそれとともに大きな強みに感じているのが、タブローのユーザーグループの存在です。日本でちょうど今日、東京のユーザーグループの代表メンバーとのミーティングを持ったのですが、彼らの熱意に感銘を受けました。さまざまなサブグループもあり、特に東京では世界で唯一、女性によるユーザーグループも存在します。これは東京から世界に広めていくことになると思います。

――日本のデータ分析市場には、なにか特徴があるのでしょうか。

 世界で起きていること日本で、大きな違いはありません。ただ日本の顧客は、サポートに対する要望が強いと思います。緊密に連絡取ってほしいとか、コミュニケーションを望まれていると思います。日本のローカルサポートを充実させ、日本語、日本円での対応をはじめ、対応を強化しています。

 世界の拠点の中でも、日本を含むアジア太平洋地域は最も早い成長ペースで推移しています。私はその中心地である日本への投資を継続していこうと約束しています。

 オフィスを東京・銀座の「GINZA SIX」ビルに移転して大幅に増床しています。同時に日本のチームの人員も、この1年で60%増やしました。今年も同等の増員を計画しています。顧客の数も急激に増えていますので、それに対応する人員も増やしていきたいと考えています。