[マンチェスター 1日 ロイター] - 米商務省が米航空機大手ボーイング<BA.N>の訴えを受けて、カナダのボンバルディア<BBDb.TO>の旅客機「Cシリーズ」に220%の相殺関税を課す方針を仮決定した問題で、英政府は1日、英領北アイルランドのボンバルディア工場で働く数千人の雇用を守るために争う構えを示した。

同工場では「Cシリーズ」の翼部分を製造し、約4200人を雇用。関連するサプライチェーンでは数千人が働いている。

英国のフォックス国際貿易相は1日開幕した保守党の年次党大会で、政府がこの問題の解決に向け水面下で取り組んでいると説明。「政府は争う方針だ。われわれはより大きな争いの集中攻撃にさらされている」とし、「保護主義的な措置が増える状況を懸念している」と語った。

仮決定された相殺関税は、米国際貿易委員会(USITC)が来年下すとみられる最終判断でボーイングの訴えを認める場合に確定することになる。

今回の問題は、北アイルランド経済に影を落とすだけでなく、自由貿易と米英の緊密な関係が欧州連合(EU)離脱後の英国の経済繁栄、世界への影響力を支えると主張するEU離脱派の根拠を台無しにしている。

メイ英首相は28日、ボーイングの行為は英国とボーイングの取引関係を損なうものだと批判。ブロークンシャー北アイルランド相も、ボーイングの行為は英政府が長期的な防衛パートナーに臨むものではないと述べ、協議が必要との考えを示した。

ただ、ボーイングによると同社とそのサプライヤーは英国内で1万8700人の雇用を担っており、首相がボーイングへの対抗措置を講じる可能性は低いとみられる。