経営 × 人事評価

ヤフーはなぜ6000人の社員を巻き込む
「1on1ミーティング」を続けるのか?

間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]
2017年10月4日
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 上司と部下との間のコミュニケーションが組織のなかで大事であることは言うまでもない。ヤフーのように、その対話を制度とすることで、上司の側では、「気の合わない苦手な部下」とも対話をせざるを得ない。話してみれば、苦手意識の根源は誤解であることに気づく可能性もある。

 また、言うまでもなく、対話を通して部下について、いろいろなことを知ることができる。場合によっては、プライベートな情報を知ることもできるだろう。無論、それらを根掘り葉掘り聞き出す、ということではなく、毎週、対話をしていれば、そういう話題も出るだろう、ということだ。

 そのように対話を通して得られた部下の情報は、仕事のアサインや、マネジメントのために有益だ。

 部下の側から言えば、相談や評価をタイムリーに受けることができるメリットがある。業務におけるコミュニケーションを通してそれができることが理想的ではあるが、上司の多くがプレーイング・マネジャー化している現状では、あえてコミュニケーションを制度することで対話せざるを得ない状況を作ることは、ひとつの手法として合理性があるだろう。

1on1を通して、上司は部下の学びを深めるための支援を行う。部下が話をしながら、自然と学びを進化させることが基本だが、より積極的な働きかけをすることもできる。上司からの働きかけには上記3つがある。
・コーチング=部下が自力で答えを見つけるためのサポート
・ティーチング=上司が答えを持っていて、かつ部下にとっては単に知っていればよいことを教える
・フィードバック=「耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直す」(中原淳著「フィードバック入門」)1on1を通して、上司は部下の学びを深めるための支援を行う。部下が話をしながら、自然と学びを進化させることが基本だが、より積極的な働きかけをすることもできる。 ◎コーチング=部下が自力で答えを見つけるためのサポート。 ◎ティーチング=上司が答えを持っていて、かつ部下にとっては単に知っていればよいことを教える。◎フィードバック=「耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直す」(中原淳著「フィードバック入門」)

 評価をタイムリーに受けることの具体例としては、目標管理制度について、中間的評価をもらうことが挙げられる。

 ヤフーでは「ラップタイムを測る」という言い方をするが、期初に設定した目標について、期末を待たず1on1を通して「このままだとAになりそうだ」「挽回しないとCになってしまうぞ」というようにアドバイスを得ることができる。あたかも選手とコーチがともにゴールを目指すイメージで、まさに成長支援のひとつの形と言えるだろう。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


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