10月2日、9月日銀短観で、人手不足感の強さがバブル期以来となった。2015年11月撮影(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 2日 ロイター] - 9月日銀短観で、人手不足感の強さがバブル期以来となった。しかし、企業の価格転嫁への動きは鈍く、IT投資などの設備投資にも加速感が出ていない。他方、企業の内部留保は高水準で推移し、賃上げから消費拡大、価格上昇への経路で物価が上がる「確信」は高まっていない。

 政府内には、賃上げや内部留保の活用に向け、企業に働きかける新しい政策を検討するべきとの声も出ている。

止まらぬ人手不足感、価格上昇は鈍く

「人手不足による雇用ひっ迫感では、物価は期待されたほど上がらない。大事なのは成長期待だ」──。野村総合研究所・エグゼクティブエコノミストの木内登英氏は、人手不足だから賃上げという行動は固定費の単純な増加につながり、企業は採らないと指摘。賃上げや価格引き上げのコンフィデンス強化には、将来の成長期待が欠かせないとみている。

 短観の雇用判断DIは、大企業から中小企業までリーマンショック以降、一貫して不足感が強まる方向だった。

 中小企業では、2013年12月からリーマンショック前の07年3月の水準を超える不足感となっていたが、大企業は今年に入りリーマンショック前の不足感ピークを超えた。

 しかし、人手不足が賃金上昇を通じて物価を押し上げるには、力不足であることもうかがえる。