海外に製品やサービスを売り込むチャンスはますます増えていますが、英語が苦手だと、展示会や出張に行くのもついつい億劫になってしまいます。それでも、ビジネスチャンスは英語の上達を待ってはくれませんから是非トライしたしところ。しかも、多少発音や文法がおぼつかなくても、「この日本人、できる!」と海外バイヤーをとうならせることができるんです! そのポイントは、商談プロセスに応じて詰めるべき事項をきちんと押さえていることと、そういう交渉に必要な英文フレーズがとっさに出てくるよう覚えておくこと。この二つを一気に押さえられるのが、新刊書籍『海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語』です。これまで数多くの産業財・消費財の海外販路の開拓支援にたずさわってきた著者がそのノウハウを余すところなくまとめた本書の一部をご紹介していく本連載、今回のテーマは海外商談に欠かせない英文カタログと製品をアピールするキャッチフレーズのコツです。

 海外の取引先や展示会で不可欠なのが、製品を説明する英文カタログです。

 初めて読む専門知識のない人にも、その製品・技術が分かりやすく伝わるものでなければなりません。つまり日本人の同業者同士では当然のこととして省かれている説明を、意識して言語化する必要があります。

製品パンフレットは海外営業先に残せる唯一のツールだ。HPなどもあるけれど、魅力的に作成しよう

 特に中小企業に多いのが、紙1枚に技術説明だけが記されているようなカタログです。「見る人が見れば、これで分かります」と自信をもっておっしゃいます。海外販売で理解いただきたいのは、そもそも、そういった「モノの良さがすぐ分かるキーパーソン」に行き着くことこそが難しい、ということです。「この製品を売り込むためには、xxさんがウンと言わねばならない」といえるキーパーソンがどの会社にもいるはずですが、彼らのリストが公表されているわけでもありません。

 まさにそういったキーパーソンを見つけて情報を届けるために、世界中の多くのメーカーが多額の費用をかけて、展示会に出展したり専門誌に広告を出したりしているのです。技術説明だけの一枚紙だけではそういったキーパーソンに情報が届かないと認識しましょう。ですから、誰もに分かりやすく作成して、これは是非取引をしたい!と思ってもらって、その技術が本当に分かり、そして意思決定もできるキーパーソンまで上げてもらえなければなりません。

 理想的な英文カタログには、以下の5大要素がうまく記載されています。

1.Product Description (製品の概要)
:大まかに言って、その製品がどういうものか

2.Application (製品の応用・使用分野)
:どういった場面・用途に使われるのか

3.Features (製品の特長・特徴)
:競合製品に比した特長・特徴など

4.Specification (製品の仕様)
:大きさ・材質・形・数値性能など

5.Company Profile (会社概要)
:自社の概要と、簡単な歴史、特徴など

 誰しも最初に知りたいのは、1.Product Description (製品の概要)でしょう。ここで製品の魅力を一言で伝えるキャッチフレーズをつけてみてください。以下に、使える表現例をあげてみましょう。

<消費財>
・Laundry detergent with the No.1 Japanese market share
日本市場シェアNO.1の洗濯用洗剤

Limited edition knife with maximum cutting performance, made in Japan
数量限定で切れ味最高の日本製包丁

・Kitchen tools combining Japanese tradition with advanced technology
日本の伝統と最先端テクノロジーが融合したキッチン用品

・Products using aerospace technology
航空宇宙技術を利用した製品群

・Bread maker perfect even for beginners
初心者に最適なパン焼き器

・Sports sunglasses worn by many famous athletes
多くの有名アスリートがかけているスポーツ用サングラス

・Shampoo that 95% of people say they want to use again
95%の人がまた使いたいと答えたシャンプーです。

<産業財>
The world's smallest air compressor
世界最小レベルのエアコンプレッサー

・Display monitor unrivaled in thinness and lightness
薄さと軽さで他の追随を許さないディスプレイです。

Japan's most frequently used belt conveyor
日本で最も使われているベルトコンベヤー

・Cutter made from diamonds
ダイヤモンド製のカッター

・Forklift greatly trusted on worksites
現場から絶大な信頼を得ているフォークリフトです。

・Tough mobile battery that meets U.S. military standards
米軍の規格をクリアした頑丈な携帯バッテリーです。

 製品の強みが誰にでも理解できて印象に残るキャッチフレーズをうまくつくれるかどうかで、カタログを本当に見てもらえるかどうかが決まるといっても過言ではありません。性能はもとより、用途、使用実績など、いろんな角度から、貴社の製品を表現してみてください!