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吉田恒のデータが語る為替の法則

ユーロ反発はそろそろ一巡か。金融恐慌を
回避できるか、EUサミットが「天王山」に!

吉田 恒
【第158回】 2011年10月19日
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 ユーロはこのところ急反発していますが、これは売られ過ぎ、下がり過ぎの修正が主な要因です。

 ただ、それ自体は終わりにかなり近いと思っていますので、この先の反発は限られると思っています。

行き過ぎたユーロ安はほぼ修正された

 ユーロは一時の101円レベル、1.32ドルレベルから、週明けには107円レベル、1.39ドルレベルまで急反発してきました。

 この急反発が始まる前のユーロは、売られ過ぎ、下がり過ぎがかなり懸念される状況となっていました。

 たとえば、CFTC(米商品先物取引委員会)統計を見ると、投機筋のユーロのポジションは「資料1」のように、10月初めにかけて8万枚の売り越しとなっていました。

 これは確認できるかぎりでは、過去2番目の大幅な売り越しで、売られ過ぎ懸念がかなり強くなっていたのです。

資料1

 

 また、90日移動平均線からのカイ離率を見ると、一時は「資料2」「資料3」のように、ユーロ/円はマイナス9%、ユーロ/米ドルはマイナス7%程度まで拡大していました。

 経験的に、このカイ離率がマイナス10%前後に達すると、下がり過ぎ懸念が強くなります。その意味では、ユーロは、対円、対米ドルともに、かなり下がり過ぎ懸念も強くなっていたと言えます。

資料2

 

資料3

 

 ただし、最近にかけてユーロが急反発したことで、このカイ離率は対円、対米ドルともにマイナス2~3%程度まで急激に縮小してきました。

 これからすると、ユーロの下がり過ぎはほぼ修正されたと言えるでしょう。

ユーロの反発は1.38ドル、もしくは1.4ドルあたりまでか

 それでは、ユーロが今後、逆に上がり過ぎ拡大に向かう可能性はあるのでしょうか? それを考える上でカギを握っているのは金利でしょう。

 「資料4」は、ECB(欧州中央銀行)の政策金利を反映しやすいドイツの1年債利回りの90日移動平均線からのカイ離率ですが、これを見ると、空前の下がり過ぎとなっていた状況が、徐々に修正されてきたことがわかるでしょう。

 つまり、下がり過ぎの修正で金利が上昇したことで、下がり過ぎ、売られ過ぎとなっていたユーロが反発に転じたということです。

 その意味では、ユーロの反発がさらに続くのかは、金利上昇がどこまで続くのかが目安となるでしょう。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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