[東京 4日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は4日、日銀本店で行われた国際決済銀行(BIS)の決済・市場インフラ委員会の会合であいさつし、資金決済にかかわる技術革新が進む中で、中央銀行によるデジタル通貨の発行について「現時点において具体的な計画は持っていない」としながら、インフラ改善などの観点から「不断の研究を重ねていくことが求められる」と語った。

総裁は、ブロックチェーンや分散型台帳などの新たな技術が登場する中で、1)銀行を代替するような中央銀行デジタル通貨を自ら発行してはどうか、2)中央銀行当座預金にブロックチェーンや分散型台帳技術を応用してはどうか──などの意見があることを紹介。

そのうえで「日本銀行はそうした具体的な警戒は持っていない」と前置きしながら、「数々の興味深い論点を含んでいる」と語った。

具体的には、中銀デジタル通貨を発行することは「中f央銀行口座へのアクセスを拡大し、中央銀行決済システムを1年365日、1日24時間使えるようにすることに近い」などと述べ、「将来的に、新しい技術を自らのインフラ改善に役立てていく余地がないのか、不断の研究を重ねていくことが求められる」と発言。

金融システムや支払決済システム全般の安定に責任を持つ立場からも、「中央銀行は、これらのシステムに影響を及ぼし得る新技術の内容を深く理解する必要がある」と指摘した。

(伊藤純夫)